研究課題/領域番号 |
19J21089
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分39050:昆虫科学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
児玉 敦也 広島大学, 統合生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2019年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | ユスリカ科 / 走光性 / 衛生害虫 |
研究開始時の研究の概要 |
ユスリカ科昆虫は衛生害虫として知られ、多くの種が正の走光性を持ち、種や性別によりその特性が異なることが指摘されており、光を用いた効果的な防除を行う上でそのメカニズムの解明が求められている。本研究では実際の行動、生理学的特性および生化学的特性の3点からユスリカの走光性の基礎的な研究を行う。行動実験では発光ダイオードを使用し、種および性別ごとにユスリカを強く誘引する波長を探る。生理学的な観点からは複眼がどの波長に強く反応するのかを解明する。生化学的な観点からは複眼で発現しているオプシン遺伝子を明らかにする。この3点からユスリカの走光特性を解明し、光による防除のための基礎的な知見の確立を目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究では、衛生害虫として知られるユスリカ科を対象にして、以下の3つの実験によりユスリカ科の走光性の特徴を検証し、光を用いた防除のための基礎的知見の蓄積を目的とし研究を行った。 1) 生理学的にユスリカ科がどの波長に強く反応するのかを検証するため、網膜電図法(ERG)を用いて分光感度を測定する実験をおこなった。その結果、ユスリカの分光感度においては,2つのピークを持つタイプ(近紫外線付近と500 nm付近)と近紫外線付近に最も強いピークを持つタイプ(400 nm付近)が見られた。これまでの研究でユスリカ科の走光特性は種によって異なる可能性が示唆されてきたが、ユスリカの視覚の特性が種間で異なることが生理学的に明らかになった。2) 光強度を一定にした複数の発光ダイオード(LED)を使用し、屋内外でユスリカがどの波長に誘引されるかを調査した。屋外調査では緑付近(465~530 nm)に高いピークと紫付近(400 nm)の光に低いピークが見られた。屋内実験では、ヤモンユスリカを用いて実験を行い、分光感度がユスリカの波長の選択性に影響している可能性が示唆された。3)生化学的なユスリカの視覚の特性を検証するため、オプシン遺伝子の同定を試みた。その結果、5種のサンプルからオプシン遺伝子の部分配列と推測される12配列を得ることができた。これらの配列は既知のオプシン遺伝子の比較から、紫外線オプシン、青色オプシンおよび長波長オプシンの3種類にわけられた。分光感度の測定では青色光の感度が低かったヤモンユスリカにおいても青色オプシンに類似する配列が得られており、オプシン遺伝子の複眼での発現量や部位の違いにより分光感度が特徴づけられている可能性が示された。
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現在までの達成度 (段落) |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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