研究課題/領域番号 |
19J21111
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分07010:理論経済学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
野吾 尚紀 東京大学, 経済学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2019年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 合理的バブル / 金融危機 / 金融市場の不完全性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、バブル崩壊後、生産の水準に加えて長期的な成長率が低下するメカニズムを理論的に解明することである。具体的には、不完全金融市場のモデルに名目硬直性とゼロ金利制約を導入し、バブルの崩壊が低成長を促すメカニズムを描写する。その上で、バブルが経済成長とボラティリティに与える影響のトレードオフの観点から、最適な金融規制に関して議論を行う。 更に関連する研究として、第一に、国際間の金融市場の統合が各国のバブルの発生条件に与える影響に関する分析、第二に、バブルが発生と崩壊を繰り返すという再帰性のもと、将来の金融政策に対する期待がバブルの発生頻度と経済成長に及ぼす効果に関する分析を行う予定である。
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研究実績の概要 |
1990年代の日本のバブル崩壊、2000年の米国サブプライム・ローン問題に端を発する世界金融危機など、大規模な金融ショックの後には生産のレベルだけでなく長期的な経済成長率が低下することが知られている。私はこの現象を説明するため、合理的バブルの枠組みに名目硬直性とゼロ金利制約の導入を行い、金融市場の不完全性を含む動学的一般均衡モデルを考えた。そして、バブルの発生前、発生中、崩壊後の三つの段階において、経済状態の比較を行った。 また本年度は、当初の研究テーマを発展させ、「金融のグローバル化と資産価格バブル」というテーマで研究を行った。近年の世界経済は、1980年代の南米や90年代の東南アジア諸国における株価や不動産価格の乱高下を代表に、繰り返し資産価格バブルを経験している。重要なのは、上記のバブルはいずれも、国際金融規制の撤廃とそれに伴う資本の急激な流出入を原因として生じた点である。私は上記のメカニズムを描写するため、金融市場の不完全性を含む合理的バブルの理論を2国間モデルへと拡張し、金融のグローバル化がバブルの発生条件にどのような影響を与えるか、またバブルが長期的な経済成長率に及ぼす影響は、グローバル化の前後でどのように異なるかについて分析を行った。その結果、金融市場が十分に発達した先進国経済、および十分に未発達な新興国経済の双方において、金融のグローバル化はバブルの発生条件を緩和するとともに、バブルの成長促進効果を大きくする(従って、その崩壊はより大きな成長率低下をもたらす)ことが理論的に示された。 私は上記の研究成果を、論文 “Financial Market Globalization and Asset Price Bubbles” として執筆し、日本経済学会春季大会およびEconometric Society Australasia Meetingで発表した。
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現在までの達成度 (段落) |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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