研究課題
特別研究員奨励費
急性リンパ性白血病(ALL)は小児がんのうちで最も頻度の高い疾患である。その発症や治療反応性に関与する遺伝的要因や環境要因はまだ十分に解明されていない。本研究では、小児ALL患者と健常人の生殖細胞系DNA配列を比較解析すること、および小児ALL患者の臨床情報と生殖細胞系DNA配列を解析し薬剤感受性や治療反応性との関連を調べることにより、小児ALLの発症や治療反応性に影響を及ぼす遺伝的要因を解明することを目指す。
【小児白血病のゲノムワイド関連解析】遺伝的背景が小児急性リンパ性白血病(ALL)の発症に与える影響を明らかにするため、日本人小児ALL患者と健常人の生殖細胞系DNA配列を比較解析(症例対照ゲノムワイド関連解析;GWAS)した。東京小児がん研究グループ(TCCSG)で収集された小児ALL患者のサンプル(TCCSG GWAS)と、日本小児白血病・リンパ腫グループ(JPLSG)で収集された小児ALL患者のサンプル(JPLSG GWAS)を用いた。SNP arrayでtypingされた情報をもとに、日本人パネルを用いてSNP imputationをしたのち、上位2つの主成分で調整してGWASを行った。TCCSG GWASおよびJPLSG GWASをメタ解析し、カリフォルニアの東アジア人コホートでのGWASの結果(CCRLP GWAS)を用いて再現性を確認した。既知の関連SNPの近傍にこれまで報告されていないSNPの疾患関連を認めたほか、既知の関連SNP二つの関連が確認された。結果を英語論文にまとめ、現在投稿準備中。【新型コロナ流行下における日本のこどもたちの健康と生活に関する調査】2021年度に実施した2回のウェブ調査や、郵送調査を通して、こどもたちのストレス症状が遷延していること、うつ症状や自傷行為をするこどもの頻度が少なくないこと、うつ症状の強いこどもほど援助希求性が低いことなどを明らかにし、報告書をまとめた。これに関して、学術論文執筆のほか、多数の雑誌への寄稿や取材対応、講演などを行った。さらに、2021年冬に実施した某自治体の公立小中校に通う小学5年生以上の全児童・生徒を対象とした質問紙調査についても、分析を進めている。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 4件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件) 備考 (5件)
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