研究課題/領域番号 |
19J21533
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分45040:生態学および環境学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
加藤 颯人 東京大学, 農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2020年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2019年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 対捕食者戦略 / ベイツ型擬態 / 遺伝的多型 / 季節性 / 数理モデル / 地理的変異 / 種内多型 / 生活史戦略 |
研究開始時の研究の概要 |
毒をもたない種が毒を持つ種に姿を似せることで、捕食者をだまし、捕食を回避する例が多数知られている。この現象はベイツ型擬態と呼ばれており、進化の代表例として生物学的に重要である。しかしながら、ベイツ型擬態において有毒種と無毒種がどのような条件下で安定的に共存できるのかについては、不明な点も多い。そこで本研究では、ベイツ型擬態における共存メカニズムを、数理モデルを用いて明らかにすることを目指す。具体的には、ベイツ型擬態の地理的変異や季節変動パターンといった現象に着目し、数理モデルを用いた理論的予測と野外実証データによる予測の検証を行う。
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研究実績の概要 |
ベイツ型擬態は、毒を持たない種が毒を持つ種や味のまずい種に姿を似せることで、捕食を回避する戦略のことである。本研究では、擬態モルフと非擬態モルフからなるベイツ型擬態の遺伝的多型に着目し、その維持機構とそれに関連した地理的変異・季節変動パターンを対象に、数理モデルを用いた理論的予測と野外実証データに基づく予測の検証を行う。 これまでベイツ型擬態多型の維持は負の頻度依存選択によって説明されてきたが、擬態種とモデル種の出現時期のミスマッチに起因する選択の時間変動によっても説明できる可能性がある。本年度(2021年4月~2022年9月)は、昨年度(2020年度)に引き続き、野外出現データ分析を行った。GBIF(地球規模生物多様性情報機構)が提供しているデータベースから、アゲハチョウ属擬態種とそのモデル種の出現データを取得し、擬態種とモデル種の出現時期のミスマッチを算出した。解析の結果、ミスマッチの割合が高いほど擬態多型である確率が高いという傾向が見られ、統計的仮説検定でもこの傾向が支持された。一方で、野外出現データの偏りや対象種の少なさから、出現時期の算出や系統的相関の評価に課題が残った。 また本年度は、ベイツ型擬態多型の地理的分布パターンに関する理論的研究も行った。ベイツ型擬態種は古典的予測に反してモデル種よりも広い分布域を持つ例が少なくない。このような分布パターンが生じる条件とメカニズムを調べるため、捕食者の生得的忌避と移動分散を考慮した集団遺伝モデルの構築と解析を行った。その結果、モデル種とベイツ型擬態の両方が不在でも捕食者の生得的忌避が維持されうることや、モデル種の分布域内外で捕食者が移動分散することでモデル種の分布域外でも捕食者の生得的忌避が維持されうることなどが分かった。これらの成果を第68回日本生態学会大会にて発表し、ポスター賞最優秀賞を受賞した。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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