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回転するQCD物質と物性系におけるトポロジカル輸送現象と相構造の普遍性

研究課題

研究課題/領域番号 19J21593
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
審査区分 小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

西村 健太郎  慶應義塾大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2019-04-25 – 2022-03-31
研究課題ステータス 完了 (2021年度)
配分額 *注記
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2020年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2019年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワードQCD相図 / トポロジカル物質 / 低エネルギー有効理論
研究開始時の研究の概要

物質を構成するクォークなどの素粒子には左右を区別するカイラリティと呼ばれる性質を持っている。このカイラリティに伴うトポロジーによって、超高速回転している物質の相構造や輸送現象を大幅に変更させる可能性がある。本研究では、回転するQCD物質の相構造と輸送現象を明らかにすることを目的とする。また、これらの現象の普遍性をQCDと同じくカイラリティのトポロジーで特徴付けられるWeyl半金属などの物性系で調べる。

研究実績の概要

本年度はカイラル物質の電磁場への応答であるカイラル磁気効果や異常ホール効果を統一的に記述するトポロジカルな場の理論であるアクシオン項をトーションの存在する系への一般化を目指した。その際にカイラル運動論を用いたが外場に対して一次までの輸送しか記述できず、考えていた輸送現象は二次応答なので直接適用することが不可能であった。二次応答を記述するためには、外場に対してウィグナー関数を通常一次まで計算しているところを二次まで求める必要があった。
回転する3フレーバーのバリオン物質の基底状態に関して、昨年度の論文JHEP07(2020)196でη’中間子のカイラルソリトン格子(CSL)状態になることを示したが、実はπ中間子を考慮することで新奇な基底状態になることを発見した。今回の解析では簡単のために2フレーバーを考え、軸性変換方向の中間子であるη中間子とπ中間子の両方を考慮した低エネルギー有効理論を用いた。その結果、η中間子とπ中間子の崩壊定数の差により、先行研究で考えたηCSL格子状態はπ中間子の揺らぎに対して不安定であることを示した。実現される基底状態は、回転軸の方向にアイソスピンの自由度をもつソリトンが反強磁性的に並んだ状態である。この状態はπ中間子部分が重要であることから非可換CSL格子状態と呼ぶことにした。更に非可換CSL状態はソリトンがダイマーを形成したダイマー相と完全に分離している非閉じ込め相に分類でき、ダイマー相は非閉じ込め相、従来知られていたηCSLとQCD真空三つの相と接しており、三重臨界点が存在することを発見した。励起状態もηCSLとは異なり、並進対称性の自発的破れに伴うフォノンと、アイソスピン対称性の自発的な破れに伴う別のギャップレスモードが生じる。更にη,π中間子に関するトポロジカル項によって非可換CSL状態はフェリ磁性、ηCSLはフェロ磁性になることを示した。

現在までの達成度 (段落)

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

報告書

(3件)
  • 2021 実績報告書
  • 2020 実績報告書
  • 2019 実績報告書
  • 研究成果

    (12件)

すべて 2021 2020 2019 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 4件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Topological term, QCD anomaly, and the η′ chiral soliton lattice in rotating baryonic matter2020

    • 著者名/発表者名
      Kentaro Nishimura, Naoki Yamamoto
    • 雑誌名

      Journal of High Energy Physics

      巻: 2020 号: 7 ページ: 1-23

    • DOI

      10.1007/jhep07(2020)196

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Anomaly-Induced Effects of Rotating Dense Matter2019

    • 著者名/発表者名
      Huang Xu-Guang、Nishimura Kentaro、Yamamoto Naoki
    • 雑誌名

      JPS Conference Proceedings

      巻: 26

    • DOI

      10.7566/jpscp.26.031020

    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] カイラル物質における重力場の不安定性2021

    • 著者名/発表者名
      西村健太郎
    • 学会等名
      KEK理論センター研究会「熱場の量子論とその応用」
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] 回転するバリオン物質におけるトポロジカル項、QCD anomalyとη'カイラルソリトン格子2020

    • 著者名/発表者名
      西村健太郎
    • 学会等名
      基研研究会「熱場の量子論とその応用」
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [学会発表] Topological term, QCD anomaly, and the η' chiral soliton lattice in rotating baryonic matter2020

    • 著者名/発表者名
      Kentaro Nishimura
    • 学会等名
      KEK theory workshop
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Chiral soliton lattice in dense matter under rotation2019

    • 著者名/発表者名
      Kentaro Nishimura
    • 学会等名
      The 17th international conference on QCD in extreme conditions (XQCD2019)
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 回転するバリオン物質における非一様η’凝縮相2019

    • 著者名/発表者名
      西村健太郎
    • 学会等名
      2019年日本物理学会秋季大会
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
  • [学会発表] 回転するバリオン物質におけるη'中間子のカイラルソリトン格子状態2019

    • 著者名/発表者名
      西村健太郎
    • 学会等名
      基研研究会 「熱場の量子論とその応用」
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
  • [学会発表] Inhomogeneous η’ condensation in rotating baryonic matter2019

    • 著者名/発表者名
      Kentaro Nishimura
    • 学会等名
      Quantum kinetic theories in magnetic and vortical fields
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
  • [学会発表] Chiral soliton lattice in dense matter under rotation2019

    • 著者名/発表者名
      Kentaro Nishimura
    • 学会等名
      Quantum systems in extreme conditions
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Chiral soliton lattice in dense matter under rotation2019

    • 著者名/発表者名
      Kentaro Nishimura
    • 学会等名
      Quark Matter 2019 - the XXVIIIth International Conference on Ultra-relativistic Nucleus-Nucleus Collisions
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
    • 国際学会
  • [備考] Journal of High Energy Physics誌に投稿中の論文のプレプリント

    • URL

      https://arxiv.org/abs/2003.13945

    • 関連する報告書
      2019 実績報告書

URL: 

公開日: 2019-05-29   更新日: 2024-03-26  

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