研究課題/領域番号 |
19J21971
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分39050:昆虫科学関連
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
西子 まあや 東京農工大学, 大学院連合農学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2020年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2019年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | SOD / コクヌストモドキ / 抗酸化酵素 / RNAi / スーパーオキシドジスムターゼ / トランスクリプトーム解析 / スーパーオキシドディスムターゼ / 昆虫生理学 / RNA干渉 / 定量RT-PCR / RNA-seq / トランスクリプトーム / Tribolium castaneum |
研究開始時の研究の概要 |
昆虫が世界で大繁栄を遂げられた理由として、環境への適応能力や、ストレス対処能力が高いことが挙げられる。ストレス要因によって体内では活性酸素種が発生するが、昆虫がどのようにそれを処理するのか、詳細な分子メカニズムは未だ不明である。 スーパーオキシドディスムターゼ(SOD)は、原核生物からヒトにまで保存された活性酸素を除去する酵素である。今までの研究により、コクヌストモドキにはユニークな構造を持つTcSOD6が存在し、これと似た構造を持つタンパク質は、昆虫及び原始的な生物のみに存在することが明らかとなった。本研究では、コクヌストモドキにおけるTcSOD6の機能を、分子生物学的手法を用いて解明する。
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研究実績の概要 |
新奇な構造を持つコクヌストモドキSOD遺伝子(TcSOD6遺伝子)は、脊椎動物における細胞外分泌型SOD(EC-SOD、SOD3)と同じ起源遺伝子をもつ、昆虫で進化してきた遺伝子であることが推察された。またTcSOD6遺伝子の機能は、神経筋接合が再構築される時期に必要であることが明らかとなった。 コクヌストモドキの発育過程におけるTcSOD6遺伝子の挙動を調べると、蛹期の後半において発現が顕著に増加する。また、蛹の時期にTcSOD6遺伝子の機能を抑制すると、コクヌストモドキの成虫は、脚を正常に動かせなくなる。このメカニズムを明らかにするために、TcSOD6遺伝子の機能を抑制した個体の脚の内部構造を詳しく観察した。また、TcSOD6のタンパク質レベルでの発現を検討した。さらに、TcSOD6が蛹期に関与する分子メカニズムを解明するために、トランスクリプトーム解析によって、発現が変動した遺伝子を調べた。 電子顕微鏡により、コクヌストモドキの脚の神経を観察すると、TcSOD6遺伝子の機能を抑制したコクヌストモドキは、正常な神経軸索形成が阻害されていた。この変化は、TcSOD6遺伝子の機能を抑制したコクヌストモドキに共通して見られた。 コクヌストモドキ蛹の体液タンパク質および全身を使った抽出タンパク質を用いて、タンパク質の発現を解析すると、TcSOD6は蛹体液中に分泌されていることが明らかとなった。コクヌストモドキ脚部のパラフィン切片の免疫染色によって、TcSOD6の局在を検討すると、脚部筋肉の周辺に局在することが明らかとなった。 昆虫の変態において、神経筋接合が再構築される仕組みは、現在でもその分子機構を明らかにするために多くの研究が行われている。本研究が更に進展すれば、昆虫が諸刃の剣である活性酸素を蛹化開始の分子機構に組み込み、進化・繁栄してきた理由に迫ることができる。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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