研究課題/領域番号 |
19J21974
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中塚 洋佑 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2021年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2020年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2019年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 原始ブラックホール / 重力波 / 宇宙背景輻射 / 初期宇宙論 / ノントポロジカルソリトン |
研究開始時の研究の概要 |
私の研究では、初期宇宙で生成されたかもしれない原始ブラックホール(Primordial Black Hole: PBH)や重力波の研究を通じて、素粒子物理の情報を引き出すことを目指しています。温度が数百GeV以上の初期宇宙は、現代宇宙論の未解決問題(暗黒物質の生成や粒子反粒子の非対称性など)に関わる重要な研究対象です。近年進展した重力波天文学は直接の光学観測が不可能な初期宇宙への観測手段として期待されています。私の研究では、初期宇宙におけるPBH形成などの現象の理解を素粒子論的な立場から進めていきます。
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研究実績の概要 |
研究の目標である原始ブラックホールや初期宇宙現象の観測可能性について、本年度は主に以下のような成果を得た。 原始ブラックホールの生成に関して、二形式場を利用した新たな理論モデルでも原始ブラックホールが形成されうることを検証した。特に、私はその理論モデルにおいて二次的に生成される重力波のシグナルの精密な数値計算を実行した。また、別の原始ブラックホール生成モデルにおいて、ブラックホールの生成が空間的に非常に偏って生じることを計算した。ブラックホール同士の相関関数を計算することで、ブラックホールが作る等曲率揺らぎや、ブラックホール連星の生成確率への影響を評価することが出来るようになった。以上の結果を用いて、原始ブラックホールが空間的に偏って生成された場合に観測されるブラックホール連星合体への影響を調べた。 他にも初期宇宙の現象論的研究として、WIMPと呼ばれる暗黒物質候補が対消滅した際に宇宙背景輻射に与える影響を評価した。WIMPは弱く相互作用する重い粒子の略称であり、現在の宇宙の暗黒物質を説明する候補の一つである。WIMPモデルでは、初期宇宙でWIMPが対消滅しながら数を減らすことよって、ちょうど現在の宇宙の暗黒物質量を説明できると期待されている。そのため、WIMPモデルを検証するためには、その対消滅のシグナルを捉えることが重要な観測手段になる。私の研究では、WIMPの対消滅が宇宙背景輻射に与える影響を調べた。WIMPの対消滅により初期宇宙のプラズマの電離率が変更されると、宇宙背景輻射のゆらぎのスペクトルが変化しうる。特に、初期宇宙の小スケールに大きな密度揺らぎが存在した場合に作られるコンパクトなミニハローが対消滅を増幅させる効果を研究した。 以上の成果を踏まえ、本年度は期待以上の研究を行うことができたと考えている。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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