研究課題/領域番号 |
19J22055
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
鈴木 一輝 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2021年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2020年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2019年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | ハドロン / 原子核 / シミュレーション |
研究開始時の研究の概要 |
質量を与える粒子であるヒッグス粒子が発見されたことに対して2013年にノーベル物理学賞が授与された。しかし、実はこのヒッグス粒子は我々の宇宙に存在する物質の質量の内わずか2 %を与えているにすぎない。残り98 %の質量の起源については未だ謎のままであるが、極限状態である高密度中ではこの98 %の質量が変化することが予想されている。そこで本研究ではファイ中間子という粒子を高密度物質である原子核に入れることで質量がどのように変化するのかを調べ、質量生成機構の手がかりを得る。
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研究実績の概要 |
本年度はシミュレーションモデルの構築および測定データの解析を行った。シミュレーションは前年度に引き続きGeant4モデルを使用し、粒子軌道を含めた解析を行った。モデルの課題として、さらなる磁場強度の精緻化、粒子経路上の物質量の再現、制動放射の導入等があったが、実験データとの比較や理論モデルを取り入れることで、これらすべてを十分な精度で解決することができた。これにより、理論計算と実験の比較、さらに構築したGeant4モデルに対する系統誤差の正確な見積もりが可能となった。 測定データはnnΛ粒子探索実験の結果を解析した。nnΛ粒子はΛ粒子と二つの中性子で構成される未発見の粒子であり、原子核中にΛ粒子を含むΛハイパー核の一種である。Λ粒子はφ中間子と同様にストレンジクォークを含むハドロンである。nnΛ粒子は電荷的に中性の粒子のみで構成されているため、その存在は中間子とΛ粒子の相互作用を得るためにも重要とされている。 解析の結果、nnΛ粒子の構造を示すような有意な構造は発見できなかったが、その生成断面積に対して上限値を初めて設定することができた。上限値は理論モデルに依存するため、それぞれの理論モデルを仮定して実験データとの比較を行い、最大でも31 nb/srという値を設定することができた。 上記のnnΛ粒子探索実験に関する解析結果を学術雑誌に投稿するとともに、博士論文にまとめた。さらに、本研究の成果は、将来の実施が期待されている次世代nnΛ粒子探索実験を行うための重要なデータを与えることができた。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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