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上皮間葉転換におけるアミノ酸代謝とオートファジーの相互作用の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19J22093
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
審査区分 小区分50010:腫瘍生物学関連
研究機関東京大学

研究代表者

中宿 文絵  東京大学, 新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2019-04-25 – 2022-03-31
研究課題ステータス 完了 (2021年度)
配分額 *注記
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2021年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2020年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2019年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワードがん / 代謝 / アミノ酸 / 上皮間葉転換 / アミノ酸代謝
研究開始時の研究の概要

上皮間葉転換(EMT)は、がん細胞に転移能や抗がん剤耐性を付与し、がん悪性化に寄与する。このEMTにおける代謝変化の重要性が近年報告されつつあるが、網羅的な代謝解析は行われてこなかった。
申請者らは、マルチオミクス解析で、肺がん細胞におけるアミノ酸濃度の減少がEMTに重要であることを見出した。しかし、アミノ酸代謝とEMTを関連づける分子機構は不明である。本研究では、アミノ酸欠乏のような代謝ストレスで活性化するオートファジーに着目し、アミノ酸代謝とEMT亢進の分子機構の解明を目指す。
EMTにおけるアミノ酸代謝の役割を明らかにできれば、EMTの代謝を標的とした治療法の開発に貢献できる可能性がある。

研究実績の概要

上皮間葉転換(EMT)は、がんの転移や抗がん剤耐性といった、がん悪性化に寄与することが報告されている。EMTを起こしたがん細胞では代謝が変化することが報告されつつあるが、その意義や分子機構は十分に解明されていなかった。研究員らは、トランスフォーミング増殖因子-βでEMTを誘導した肺がん細胞のメタボローム解析とトランスクリプトーム解析を行い、代謝酵素遺伝子であるP4HA3の発現増加を介して、細胞内のアミノ酸濃度が減少することを見出した。また、この遺伝子の発現を抑制すると、がんの転移や増殖が抑制されることから、代謝を介してがん進展に寄与することを示した。
今年度は、P4HA3遺伝子の発現がヒトの臨床検体において、がん進展と関連があるか調べるため、以下の解析を行った。
(1) Cancer Genome Atlasに登録されている肺がん組織の遺伝子発現データセットを用いて、非腫瘍組織、原発腫瘍、再発腫瘍のP4HA3の発現量を比較したところ、非腫瘍組織と比較して、原発腫瘍において、P4HA3のmRNAの発現量が有意に高いことがわかった。また、再発腫瘍では、原発腫瘍と比べてP4HA3の発現量が高い傾向があった。
(2) 非小細胞肺がんの臨床検体におけるP4HA3の発現と生存率との関係を調べるため、Gene Expression Omnibusに登録されている発現データを解析したところ、P4HA3発現と予後不良は有意に相関しており、P4HA3の発現が高い肺がん患者の生存期間は、低い群と比べて短いことが示された。
上記の結果から、ヒトの臨床検体においてP4HA3の発現増加は、がん進展に寄与する可能性が示唆された。上記の内容を含む研究成果を、Communications biology誌に筆頭著者として報告した(Nakasuka et al., Communications biology)。

現在までの達成度 (段落)

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

報告書

(3件)
  • 2021 実績報告書
  • 2020 実績報告書
  • 2019 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021 2020 2019

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] TGF-β-dependent reprogramming of amino acid metabolism induces epithelial?mesenchymal transition in non-small cell lung cancers2021

    • 著者名/発表者名
      Nakasuka Fumie, Tabata Sho, Sakamoto Takeharu, Hirayama Akiyoshi, Ebi Hiromichi, Yamada Tadaaki, Umetsu Ko, Ohishi Maki, Ueno Ayano, Goto Hisatsugu, Sugimoto Masahiro, Nishioka Yasuhiko, Yamada Yasuhiro, Tomita Masaru, Sasaki Atsuo T, Yano Seiji, Soga Tomoyoshi
    • 雑誌名

      Communications Biology

      巻: 4 号: 1 ページ: 1-12

    • DOI

      10.1038/s42003-021-02323-7

    • NAID

      120007178465

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] PS細胞技術による発がんメカニズムの解明2020

    • 著者名/発表者名
      中宿 文絵、山田 泰広
    • 雑誌名

      癌と化学療法

      巻: 10 ページ: 1407-1410

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [学会発表] KRAS誘導性のすい臓がんにおけるOncogene-induced senescenceの役割2020

    • 著者名/発表者名
      中宿 文絵、三小田 直、伊藤 謙治、太田 翔、山田 泰広
    • 学会等名
      先端モデル動物支援プラットフォーム成果発表会
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
  • [学会発表] TGF-β誘導性のアミノ酸欠失はEMTを誘導する2019

    • 著者名/発表者名
      中宿 文絵、田畑 祥、坂本 毅治、平山 明由、山田 忠明、衣斐 寛倫、冨田 勝、佐々木 敦朗、矢野 聖二、曽我 朋義
    • 学会等名
      第7回がんと代謝研究会
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書

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公開日: 2019-05-29   更新日: 2024-03-26  

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