研究課題/領域番号 |
19J22141
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分28010:ナノ構造化学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
横山 高穂 慶應義塾大学, 理工学部, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2021年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2020年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2019年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | ナノクラスター / 超原子 / 気相合成 / 電気特性 / ホッピング伝導 / マグネトロンスパッタリング / 集積薄膜 / 集合体物性 / 電気伝導 / 金属内包シリコン |
研究開始時の研究の概要 |
金属原子(M)1個をシリコン原子16個からなるカゴに内包させた「金属内包シリコンケージクラスター(M@Si16)」を精密に集積させたクラスター薄膜を作製し、この薄膜に対して電極からの電荷注入や電気伝導性などの電気特性を評価する。温度、磁場といった条件を制御しながら電気特性評価を行うことで、個々のM@Si16がもつ電子状態とその集合体の電気特性の相関を明らかにする。内包される金属原子を異なる元素で置き換えることでM@Si16がもつ電子状態を制御して、異なる内包金属原子での電気特性の変化を明らかにするとともに、異種のM@Si16をヘテロ接合させることで発現する光機能の観測を目指す。
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研究実績の概要 |
前年度までに、3-5族の金属を内包したM@Si16の集積膜における電気伝導性評価を行い、内包する金属の族と周期に依存して電気特性が変化することを明らかにした。また、作製したM@Si16膜はいずれも非晶質であるため、結晶性を高めることでM@Si16の電子構造がより鋭敏に集合体物性に反映される可能性がある。 そこで本年度は、(i)6族金属を内包したM@Si16の作製と電気特性評価、(ii)M@Si16膜の秩序性向上に向けた検討、の2つの課題に取り組んだ。 (i)では、6族金属であるタングステン(W)を内包したW@Si16を気相合成し、集積膜の電気特性を評価した。W@Si16では5族金属を内包した場合と比較して価電子が増加するため、伝導度が増加すると予想されたが、W@Si16膜はより小さい伝導度を示した。W@Si16は中性状態でヤーン・テラー効果によりケージ構造がひずむことが知られており、対称性の低下が伝導度を下げていると考えられる。ひずみのないW@Si15の集積膜を評価したところ、W@Si16と比較して高い伝導度を示したことから、中性状態での幾何構造が電気伝導性に影響するという知見が得られた。 (ii)では、蒸着中に加熱を行うことでM@Si16の拡散を促進し、結晶性を高められるのではないかと着想した。温度可変蒸着ステージを独自に設計・構築することで、基板温度を制御した蒸着を可能にした。基板温度を変化させて蒸着を行ったところ、M@Si16膜が全体的に酸化されていることを示唆する結果となった。原因として、温度が上昇することでM@Si16が活性になり、真空槽内の残留ガスと反応した可能性が挙げられる。 以上のように、本年度の研究遂行によってM@Si16の電子構造のみでなく幾何構造が集積膜に与える影響を明らかにするとともに、秩序集積化に向けた課題が明らかとなった。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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