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ドライアイ防止に働く極長鎖ワックスエステルの生合成機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19J22148
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
審査区分 小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
研究機関北海道大学

研究代表者

澤井 恵  北海道大学, 生命科学院, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2019-04-25 – 2022-03-31
研究課題ステータス 完了 (2021年度)
配分額 *注記
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2020年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2019年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワードドライアイ / 脂質
研究開始時の研究の概要

眼球を覆う涙液は,油層,水層,ムチン層の三層から構成されており,このうち最も外側に位置する油層は,涙液中の水分蒸散の防止や涙液全体の安定性に寄与している。油層の異常はドライアイの主要な原因であることが知られているが,油層を構成する脂質分子の産生機構は十分に理解されておらず,油層を標的とした治療薬は開発されていない。本研究では,油層の主要な構成成分であり,他の組織には存在しないユニークな脂質分子である極長鎖ワックスエステルの生合成機構の解明を,主にワックスエステル合成酵素遺伝子欠損マウスを用いて行う。

研究実績の概要

タイプ2ω,1ωおよび2αワックスジエステル(WdiE)を区別できる測定法を確立した。その測定法により,Awat1 KOマウス(A1 KO)およびAwat2 KOマウス(A2 KO)で三価不飽和タイプ1ω WdiEが減少していることが明らかになった。一方,二価不飽和についてはA1 KOで減少していたのに対し,A2 KOでは減少していなかった。これより,Awat1とAwat2はマイバム脂質中のタイプ1ω WdiE産生に対しそれぞれ異なる寄与を示すことが明らかになった。一方,タイプ2α WdiEについてはA1 KOおよびA2 KOいずれにおいても減少しておらず,Awat1とAwat2が産生に関与しないことが示された。涙液層破壊時間(BUT)を測定すると,A1 KOおよびA2 KOいずれにおいてもBUTが短縮しており,涙液層が不安定化していることが明らかになった。角膜障害を調べると,A2 KOでスコアが上昇していた。マイバムの融点測定を行うと,いずれのKOマウスでも上昇しており,特にA2 KOでは大幅に上昇していた。これより,極長鎖ワックスエステル(WE)がマイバムの適切な融点維持に必須であると考えられる。Awat1 Awat2 DKOマウス(DKO)の毛が濡れてから乾くまでの時間は延長していた。皮膚切片では皮脂腺が拡大している様子が観察された。しかし,DKOではWE等の脂質は減少しておらず,むしろ増加していた。DKOにおいては皮脂産生が過剰になっており,Awat1やAwat2が間接的に正常な皮脂産生の維持に関与している可能性がある。また,極長鎖WEを構成する極長鎖アルコールの産生酵素遺伝子Far2 KOマウスのWdiE測定についても行った。その結果,Far2 KOマウスではいずれのWdiEも消失しており,Far2が3種の極長鎖WdiEの産生を担うことが明らかになった。

現在までの達成度 (段落)

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

報告書

(3件)
  • 2021 実績報告書
  • 2020 実績報告書
  • 2019 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2022 2021 2020 2019

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Formation of fatty alcohols -components of meibum lipids- by the fatty acyl‐CoA reductase FAR2 is essential for dry eye prevention2022

    • 著者名/発表者名
      Otsuka Kento, Sawai‐Ogawa Megumi, Kihara Akio
    • 雑誌名

      The FASEB Journal

      巻: 36 号: 4

    • DOI

      10.1096/fj.202101733r

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Diverse meibum lipids produced by Awat1 and Awat2 are important for stabilizing tear film and protecting the ocular surface2021

    • 著者名/発表者名
      Sawai Megumi、Watanabe Keisuke、Tanaka Kana、Kinoshita Wataru、Otsuka Kento、Miyamoto Masatoshi、Sassa Takayuki、Kihara Akio
    • 雑誌名

      iScience

      巻: 24 号: 5 ページ: 102478-102478

    • DOI

      10.1016/j.isci.2021.102478

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] アシル基転移酵素 Awat1 および Awat2 が生み出すマイバム脂質多様性とドライアイ防止における役割2021

    • 著者名/発表者名
      澤井恵, 木下航, 大塚賢人, 宮本政宗, 佐々貴之, 木原章雄
    • 学会等名
      第63回日本脂質生化学会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] アシル基転移酵素Awat1および2が生み出す多様なエステル分子種と涙液油層における役割2020

    • 著者名/発表者名
      ○澤井恵,大塚賢人,宮本政宗,丹野歩乃佳,佐々貴之,木原章雄
    • 学会等名
      第62回日本脂質生化学会
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [学会発表] アシル基転移酵素Awat1および2が産生する多様なエステル分子種によるドライアイ防止2020

    • 著者名/発表者名
      ◯澤井恵,大塚賢人,宮本政宗,丹野 歩乃佳,佐々貴之,木原章雄
    • 学会等名
      日本薬学会第140年会
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
  • [学会発表] 極長鎖ワックスエステルはドライアイを防止する2019

    • 著者名/発表者名
      ◯澤井恵,只木雅人,大塚賢人,宮本政宗,佐々貴之,木原章雄
    • 学会等名
      第59回生命科学夏の学校
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書

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公開日: 2019-05-29   更新日: 2024-03-26  

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