研究課題/領域番号 |
19J22353
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
木下川 涼 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2020年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2019年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | ラマン / CARS / FT-CARS / 高速イメージング / FWM / SHG / フローサイトメトリー / イメージングフローサイトメトリー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の最終的な目的は、FT-CARSスペクトラルイメージングを用いた術中がん診断である。 現在実際の臨床の現場で行われている染色法による術中がん診断では、切片の染色に時間がか かる、染色された切片の観測によりがんの有無を判断する専門の病理医が必要であるという問 題点がある。本研究は組織切片の染色を必要としないラベルフリーの測定手法であるため、短 時間でのがん診断が可能となる。また、組織切片の各点のスペクトル情報に基づいたAI診断の 実現が期待される。これにより従来法における問題点の解決が期待される。実用に耐えうる精 度、すなわち、99.9%の精度でのAIがん診断の実現を目指す。
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研究実績の概要 |
これまでの研究成果である世界最高速広帯域 FT-CARS イメージング(Kinegawa, Ryo, et al. "High‐speed broadband Fourier‐transformcoherent anti‐stokes Raman scattering spectral microscopy." Journal of Raman Spectroscopy 50.8 (2019): 1141-1146.)を含む高速顕微イメージング手法に共通する問題点(サンプル調製に要する時間>>イメージングに要する時間)の解決法の考案を行なった。 近年発展してきているフローサイトメトリー法と高速イメージング法を組み合わせることによる解決法で、当該年度中に非線形光学イメージングフローサイトメーターの設計、光学系の構築、構築した非線形光学イメージングフローサイトメーターの実証を行なった。本セットアップでは、ハイスループット、ラベルフリーでの Four-wave mixing (FWM, 四波混合), Second-harmonic generation (SHG, 第二高調波)それぞれの信号強度に基づいたイメージングフローサイトメトリーを可能としている。 本手法のデモンストレーションとして、種々の条件下で培養されたChromochloris(NIES2175)のイメージングフローサイトメトリーを行なった。当該実験により、培養条件の変化による細胞の Morphology(形態)の変化、細胞内に accumulate されたスターチの量の変化が観測された。現在当該研究成果をまとめたものをもとに論文を執筆している。次年度の計画として、さらにマイケルソン干渉計を組み込むことでFWM,SHGに加えてFT-CARS信号の同時検出を可能とするイメージングフローサイトメトリーの開発を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
年度当初、COVID-19の影響による入構制限下における在宅研究期間が続いたが、光学実験がすすめられないという逆境を生かし、本研究と関連分野の知識の掘り下げ、異分野研究との融合の可能性の模索、研究実績の欄に述べた顕微鏡高速イメージングに共通する問題点(サンプル調製の要する時間>>イメージングに要する時間)の解決法の考案を進めた。そのアイデアをもとに、入構制限解除後にこれまでの研究成果(非線形光学イメージング法)と新たな技術(イメージングフローサイトメトリー)を実際に組み合わせることで問題点の解決を可能とした。これは本研究当初にはなかったものであり、計画以上に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
次年度の計画として、これまでの開発装置にさらにマイケルソン干渉計を組み込むことでFWM,SHGに加えてFT-CARS信号の同時検出を可能とするイメージングフローサイトメトリーの開発をする。本開発装置を用いてイメージングによるがん細胞と正常細胞の分類、がんスフェロイドを用いたドラッグスクリーニングへの応用を進める。
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