研究課題/領域番号 |
19J22468
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
川野 雅敬 東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2020年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2019年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | マグノン / 強相関電子系 / スピン軌道相互作用 / 密度行列埋め込み理論 / サイン二乗変形 / ゲージ場 / スピン起動相互作用 / Mott転移 / 反強磁性絶縁体 / スピンテクスチャ / スピントロニクス |
研究開始時の研究の概要 |
固体中の電子には一般にスピン軌道相互作用が働き、電場による電子スピンの制御を可能とするが、電子の伝導に伴うジュール熱の発生が応用上の障壁となっている。 反強磁性体中では、マグノンと呼ばれる準粒子が熱やスピンを運ぶ。マグノンの伝搬に伴うエネルギー散逸は電子に比べて圧倒的に小さく、産業応用への期待が高まる中、その基礎研究は電子系に比べると非常に少なく、また網羅的でもない。 本研究では、反強磁性体中の磁気励起現象を網羅的・統一的に理解し設計するため、系の対称性や基本的なユニットに着目した分類を行う。また、数値計算手法を発展させ、それを用いてマグノン間相互作用が誘発する新奇量子現象の開拓も行う。
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研究実績の概要 |
昨年度に引き続き、反強磁性体のマグノン励起の物理を電子系の側面から理解するために、強相関電子系に対して有効な数値計算手法の開発および、スピン軌道相互作用を有するHubbard模型の磁気的性質の解析を行った。スピン起動相互作用は、強相関極限において非常に長周期の磁気構造をもたらすことが多い。しかし、そのような大規模構造を理論的に取り扱うのは、境界効果や有限サイズ効果のために一般に非常に難しい。本年度の研究ではまず、サイン二乗変形平均場理論(SSDMF)および変形Fourier変換を開発してこの問題を解決し、長周期構造を有する量子相を正確に記述する方法論を確立させた。この数値計算手法と昨年度に開発した密度行列埋め込み理論(DMET)を用いて、Rashbaスピン軌道相互作用を有するHubbard模型の磁気相図を決定した。相図決定の際には乱雑位相近似およびLuttinger-Tizsa法を相補的に用いた。得られた磁気相図から、スピン軌道相互作用をSU(2)ゲージ場とみなした場合のゲージ不変量が磁気相図の境界と関係することを発見した。加えて、ホッピングとスピン軌道相互作用の大きさを入れ替える局所SU(2)ゲージ変換を構成することに成功し、この変換を用いた議論から、先行研究で報告されていたスピン液体相は存在し得ないことを証明した。サイン二乗変形平均場理論(SSDMF)および変形Fourier変換に関する論文はPhysical Review誌に掲載された。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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