研究課題/領域番号 |
19J22506
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分45010:遺伝学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小金澤 優太 東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2021年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2020年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2019年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 一細胞計測 / 光遺伝学 / 遺伝型-表現型対応 / 薬剤耐性 / 適応 / リボソーム / 遺伝子組換え法 |
研究開始時の研究の概要 |
ある環境での細胞の表現型を遺伝型がどれだけ厳密に決定づけるかという問いは遺伝学の重要な課題の一つである。これまでの研究では薬剤耐性について、耐性遺伝子を失っても細胞の置かれている環境に依存して耐性を維持できる細胞が現れることを確認した。 本研究では、青色光の照射によって遺伝子組換えを誘起するシステムを導入した大腸菌を用いて、遺伝型の変化によって生じる表現型の変化を一細胞レベルで観察を行う。この観察から、遺伝型摂動が与えられた際の細胞の環境、遺伝型によってその後の表現型が変化する現象が薬剤耐性に限らず普遍的に起こるのか、また、どのような機構によって表現型に違いが生じるのかを明らかにする。
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研究実績の概要 |
薬剤耐性遺伝子を失っても薬剤クロラムフェニコール(Cp)に適応する大腸菌の研究について、昨年度は大サブユニットと小サブユニットのリボソームタンパク質の発現バランスが一度崩れ、分裂を続けた細胞ではこのバランスが回復することを明らかにした。リボソームの発現はguanosine penta- or tetra- phosphate ((p)ppGpp)が制御している。そのため、本年度はこの(p)ppGppの発現をモニターする細胞株を用いて耐性遺伝子を失っても薬剤に適応できる細胞の(p)ppGppの変化を観察した。その結果、Cp環境下でCp耐性遺伝子を失った細胞では(p)ppGppが減少したが、Cp環境で分裂を続けられる細胞は分裂を停止した細胞に比べて(p)ppGppが多いことを明らかにした。この結果は(p)ppGppの減少がリボソームタンパク質の発現を必ずしもストイキオメトリーに沿わない形で増加させるという先行研究を踏まえると、分裂を続けられなかった細胞ではより(p)ppGppが減少したためより強くリボソームのバランスが崩れ成長できなくなったと推測される。 また、リボソームタンパク質の発現バランスまでの研究成果については追加解析を加えてまとめ、論文誌「eLife」に掲載予定である。 さらにより幅広い遺伝子をターゲットにして遺伝子除去をした後の細胞の表現型変化を観察するためにはより効率の良い遺伝子組換え技術が必要不可欠である。そのため、本年度は蛍光タンパク質を利用し細胞の蛍光の有無から遺伝子組換えに成功したかどうかを即時に明らかにする方法を確立した。ゲノム上の6つの部位について遺伝子組み換えを行い、従来の方法では組換えに成功した細胞が数%しかいないような組換えに対しても、蛍光を利用することで80%近い確率で組換えに成功した細胞を取り出すことに成功した。この方法の確立によってより簡便に遺伝子組換えに成功した細胞を選び出すことができるようになった。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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