研究課題/領域番号 |
19J22547
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
増子 真 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2021年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2020年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2019年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | トポロジカル超伝導 / 非相反電荷輸送 / 薄膜 / ヘテロ構造 / 超伝導近接効果 / 分子線エピタキシー / トポロジカル絶縁体 |
研究開始時の研究の概要 |
トポロジカル絶縁体に代表されるトポロジカル電子相は従来の"自明な"物質における電子状態とは本質的に異なる電子状態である。トポロジカル絶縁体の最も特徴的な性質にバルク-エッジ対応による表面状態の発現があり、これまでの研究からエッジ状態は様々な非自明な物理現象を示すことが明らかになってきた。本研究では、トポロジカル絶縁体と超伝導体の接合界面が示す性質の多くが未開拓であることに着目し、分子線エピタキシー法によるトポロジカル絶縁体と超伝導体の高品位な人工多層膜の実現を第一目標にし、さらに作製した多層膜試料にデバイス加工技術や低温測定技術を適用することにより未知の界面現象の探索に取り組む。
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研究実績の概要 |
本研究では、トポロジカル絶縁体と超伝導体の接合系における新奇な電荷輸送現象の開拓とその機構解明を目的としている。前年度までに、トポロジカル絶縁体Bi2Te3と超伝導体PdTe2から成る薄膜積層構造の作製技術を確立した。Bi2Te3/PdTe2のようなトポロジカル絶縁体と超伝導体の接合系では、接合界面に超伝導近接効果によるトポロジカル超伝導が生じると期待されている。本研究では、この接合界面において空間反転対称性が破れていることに着目し、系の空間反転対称性の破れを敏感に捉える実験手法である非相反輸送測定を行った。実験の結果、Bi2Te3/PdTe2 接合系において面内磁場印加により明瞭な非相反信号を観測し、その温度依存性が理論的に期待される振る舞いと整合することを明らかにした。さらに、磁場を面直方向にわずかに傾けると非相反信号が符号反転を示すことを発見し、解析によりこの符号反転が磁場の面直成分の増加に伴う磁束の種類のクロスオーバーに対応して生じていることを解明した。これらの結果はBi2Te3/PdTe2接合系において近接効果が作用し、空間反転対称性の破れた超伝導の実現を示しており、界面におけるトポロジカル超伝導の発現を示唆している。本成果は、トポロジカル絶縁体/超伝導体接合系におけるトポロジカル超伝導およびマヨラナフェルミオンの実証に向けた基盤となるものであり、デバイス加工技術の適用によりさらに高度かつ精密な実験への発展が期待される。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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