研究課題/領域番号 |
19J22731
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分01080:科学社会学および科学技術史関連
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研究機関 | 独立行政法人国立科学博物館 (2021) 東京工業大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
河野 洋人 独立行政法人国立科学博物館, 理工学研究部, 研究員
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2021年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2020年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2019年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 物性論 / 物性物理学 / 物質科学 / 固体物理学 / 久保亮五 / 物理学史 / 科学史 / 技術史 |
研究開始時の研究の概要 |
「物性物理学」(および「物性論」)は、物質の性質を説明する理論の探求とその応用を目する学問領域である。日本はこれまで、同領域において顕著な業績を多数生みだし、基礎・応用の両面で世界をリードし続けてきた。しかしこの「物性物理学」は、完全に対応する外国語を持たない、日本独自の枠組みであることが知られている。この固有の呼称、枠組み、概念は、なぜ、どのようにして生じたのか。またその存在は、日本における物質をめぐる科学の発展に、どのような影響をもたらしたのか。本研究はこれらの問いに答えることを目的として、1930~50年代における同分野の成立・発展過程について、一次史料や原論文を用いた史的分析を講じる。
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研究実績の概要 |
本研究は、「物性論」形成期の重要人物である物理学者・久保亮五(1920-1995)に着目してきた。前年度までにアーカイブの構築や戦中期の研究過程の調査などを行ってきたが、本年度はさらに久保の伝記的研究へと歩を進め、その成果の一部を生誕百年記念シンポジウムに登壇して発表した。また、東京大学駒場博物館で開催された生誕百年記念展の企画・作成にも携わった。より広く科学者資料一般の保全と利活用については、博物館との関係という観点から国内学会で口頭発表1件を行った。 「物性論」分野全体については、久保研究を一つの足掛かりとしながら、その形成過程を学説史的・社会史的観点から検討してきた。本年度は、名古屋大学・坂田記念史料室への出張調査を行うなど、新型コロナウイルスの感染拡大状況に留意しながらではあるが、一次資料の調査・分析に注力した。対象としては、「物性論」の分野に含まれた研究群を幅広く、通時的に取り上げ、特に物理学以外の分野との境界領域における展開に着目した。その結果、化学あるいは物理化学における幾つかの研究群が「物性論」と密接に関わっていたことなどが明らかとなり、この分野の形成過程の立体的な理解につながった。成果の一部について国際学会で口頭発表1件を行った。 本年度はさらに、これまでの成果を総括する作業も行った。「物性論」形成の動的な過程を、ディシプリン・フォーメーションなど幾つかの観点から検討するとともに、「物性論」が持つとされてきた「固有性」、「独自性」を、隣接する諸分野との比較から具体的かつ批判的に考察した。この成果の一部について、国際学会で口頭発表を1件行った。 本研究の成果は、「物性論」がなぜ・どのようにして形成され、これが物質科学の展開にどのような影響を与えたか、という問いに一定の示唆を与えるものであった。これを「物性論」の形成史としてまとめ、提示することを今後の課題としたい。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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