研究課題/領域番号 |
19J22898
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
吉田 航 東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2021年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2020年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2019年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 新卒採用 / 組織 / 社会的不平等 / 管理職 / ダイバーシティ / 雇用 / 学校歴 / 女性管理職 / 定着 / 大卒労働市場 / 日本企業 / ジェンダー不平等 / ワークライフバランス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、日本の大卒労働市場において生じる就職機会の不平等について、その要因及び生成メカニズムを解明することを目的としたものである。具体的には、日本企業企業の採用データを定量的・定性的に分析することで、種々の個人特性に基づく不平等を生み出すメカニズムを明らかにする。本研究は、当該研究領域への貢献のみならず、より望ましい就職・採用制度の設計を可能にする点で、当事者に与える影響も大きいと考えられる。
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研究実績の概要 |
今年度は、研究目的の2点目、企業組織の要因が就職機会の不平等を生み出すメカニズムの検討を進めた。具体的には、2つの実証研究を遂行しながら、博士論文の執筆に取り組んだ。 まず、前年度から引き続き、企業の女性管理職比率が、新卒女性の採用・定着に与える影響を検討した。分析には企業行動を長期間観察したパネルデータを利用し、効果の厳密な検証を試みた。分析から、女性管理職の多さは、女性採用・定着の促進につながっていないことが示された。これは、日本企業で雇用のジェンダー平等化が進まない一因を説明する点で、重要な知見である。一方で、部長以上の管理職に限定すると、女性比率の高さが女性従業員の定着を促していた。これは、より権限の大きい上位管理職が、ジェンダー平等化に重要であることを示唆する。以上の成果をまとめた研究論文は、関連学会誌に掲載予定である。 さらに、企業によるダイバーシティ担当部署の設置が、雇用の多様性に与える影響を定量的に検討した。女性管理職比率・女性採用比率・障害者雇用率への効果を総合的に検討した結果、時代効果を考慮すると、部署の設置が雇用の多様性を高めているとはいえないことが示された。一方で、女性役員比率が一定水準を超える企業では、部署設置が女性管理職比率を有意に高めていた。単に専任部署を設置するだけでなく、それを支える役員層の存在があってはじめて雇用の平等化が達成されることを示した点に、この分析の学術的・社会的意義がある。この成果は関連学会で報告している。 以上の分析、および前年度までの成果を踏まえて、博士論文の執筆作業を進めた。本研究課題の目的に沿って、まず就職機会の不平等に影響する諸要因とその効果を整理した。さらに、分析結果を総合して浮かび上がる、就職機会の不平等を規定する企業組織のメカニズムを、より一般的な形で描き出した。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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