研究課題/領域番号 |
19J23073
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
布施 拡 東京大学, 薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2021年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2020年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2019年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 炭素-水素結合活性化 / 含窒素ヘテロ芳香環 / 電荷移動錯体 / ラジカル反応 / 光触媒 / C-H活性化 / ラジカル / 触媒的水素放出反応 / アルコール酸化 / ニッケル |
研究開始時の研究の概要 |
複雑な構造を有する医薬品は有望である一方で、誘導体の合成は難しく、探索初期段階で候補化合物からはずされることも多い。したがって、このような複雑構造医薬品を合成後期に多様な誘導体に導く方法論は新規医薬創出において有望である。本研究ではこのような医薬品に豊富に含まれるsp3炭素-水素(C-H)結合の変換に着目する。より具体的にはsp3C-H結合をラジカル的に活性化して、多様な変換が可能である有機金属種を導くハイブリッド触媒系の開発を行う。多様な化合物へと応用し、最終的には複雑構造医薬品の変換に応用する予定である。
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研究実績の概要 |
昨年度の時点で、新規触媒として、電子豊富な芳香環を有する7,7'-OMe-TPAを用いることで光触媒に依存せず、炭素―水素結合を活性化し、含窒素ヘテロ芳香環のヒドロキシアルキル化反応が進行することを見出している。本年はこの触媒系の一般性の検証と機構解析を行った。検討の結果、含窒素ヘテロ芳香環のヒドロキシアルキル化反応が進行するだけでなく、アルコールやエーテルを用いたアルキル化反応が進行することを見出した。 さらに反応機構解析として紫外可視吸収スペクトルの測定を行った。その結果、有機触媒である7,7'-OMe-TPAと、基質であるイソキノリンとTFAの混合物を混ぜることで、可視光領域の吸収が増大しているということが分かった。この結果より、7,7'-OMe-TPAとイソキノリニウムをそれぞれ電子ドナー、電子アクセプターとして電荷移動錯体が形成されているということが示唆された。 この結果を基に、本手法を含窒素ヘテロ芳香環の修飾反応以外に適用するべく、電子アクセプターであるイソキノリニウムの触媒化を志向した。電子アクセプター触媒として種々のイソキノリン触媒を検討したところ、1位に電子豊富な芳香環を有する触媒が最適であることを見出した。また、この触媒を用いることで、アルコールからの触媒的水素放出反応やトルエンのイミンへの付加反応といった炭素―水素結合活性化経由の反応に応用することに成功した。 従来可視光を利用した炭素―水素結合活性化反応には複雑な構造を有する光触媒や金属触媒が必要であった。今年度の研究成果により比較的単純な有機分子を用いた炭素―水素結合活性化法の確立に貢献できると考えている。今年度、本研究成果を論文化し、Journal of the American Chemical Society 誌に報告した(J. Am. Chem. Soc. 2022, 144, 6566.)。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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