研究課題/領域番号 |
19J40191
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分39060:生物資源保全学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤原 摩耶子 京都大学, 野生動物研究センター, 特別研究員(RPD)
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 卵子 / 卵巣 / 凍結保存 / 野生動物 |
研究開始時の研究の概要 |
野生動物の絶滅の問題の深刻化により、生殖介助技術として配偶子保存の緊急性が増している。未成熟な卵子を周辺環境ごと凍結保存し、体外発育を可能とすることができれば、より多くの雌の遺伝資源を将来に残し、繁殖の可能性を増やすことができる。 本研究は希少な野生動物の保全を目指して、多様な野生動物の未成熟卵子を保存する卵巣組織バンクを構築する。 さらに卵巣組織バンクを利用して、様々な野生動物種における動物種間の卵子の生理機構について比較研究を行う。これにより、動物種ごとに適した未成熟卵子の凍結保存法・体外培養による発育法の構築を加速させ、実用的な生殖介助技術の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
希少な野生動物のメスの遺伝資源を保全する生殖介助技術の構築を目指し、モデルとしてイヌとネコの卵巣を用いて、原始卵胞の利用を想定した卵巣皮質の凍結保存法を見出すとともに、原始卵胞から二次卵胞までの体外発育条件の検討を行った。さらに、米国スミソニアン保全生物学研究所との共同研究でより発育した卵子の凍結保存の研究も実施し、見出した手法を用いることで、野生動物の卵巣を受け入れた際には、卵子を発育段階に応じて適切な手法で凍結できるようになった。日本動物園水族館協会や国内の他の繁殖学研究者とも連携し、飼育個体死亡時によりスムーズに卵巣を受け入れられる体制を整え、卵巣組織・卵子を凍結保存する『卵巣バンク』の取り組みを推進した。さらに、環境省と連携し、国内希少種で天然記念物のツシマヤマネコについても野生下・飼育下両方で死亡した個体の卵巣を受け入れ、卵子の保存に取り組んでいる。昨年度はツシマヤマネコだけで7件、他の種を含めて合計26件の提供を受けた。これまでに卵巣バンクでの受け入れ件数は合計で102個体にのぼる。また、過去に他機関で回収されたツシマヤマネコの卵巣についても液浸標本の提供を受け、組織解析を進めている。 希少鳥類のモデルとしてニワトリを用いて、鳥類の卵巣組織保存の研究にも取り組んだ。この研究では、卵巣輸送時の保存温度が卵子の酸化ストレスによる死滅に影響することを示し、保存後の卵巣の凍結保存条件についての研究も進め、現在国際学術誌に投稿中である。さらに、実際に希少鳥類への応用を始めるため、国内希少種であるヤンバルクイナの保全施設とも連携し、死亡時の卵子・卵巣保存の体制を整えた。 以上の成果は国内誌、国際学会と国内学会で発表し、国際学術誌に投稿するとともに、学会の国際交流委員としてオンライン国際シンポジウムを企画・司会を務めたり、アウトリーチ活動など、積極的に研究活動を進めている。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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