研究課題/領域番号 |
19J40197
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
丹羽 まどか 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 行動医学研究部, 特別研究員(RPD)
|
研究期間 (年度) |
2019-07-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | Complex PTSD / 虐待 / STAIR Narrative Therapy / 治療効果研究 / 認知行動療法 / 実施可能性 / 複雑性心的外傷後ストレス障害(CPTSD) / STAIR/NST / 治療プロセス / 多施設共同研究 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、国際疾病分類の第11回改訂版(ICD-11)で新たに採用された複雑性心的外傷後ストレス障害(CPTSD)に対する認知行動療法(STAIR/NST)の実施可能性、安全性、有効性について多施設共同研究によって検証する。STAIR/NSTは主に幼少期の虐待サバイバーを対象として米国で開発された治療法であり、感情調整と対人関係のスキルトレーニングに加えて、トラウマ記憶の処理を段階的に行うものである。本研究では、日本各地の医療機関と協働した多施設共同研究を行い、一般化可能性を担保した形で介入効果を検証する。同時に、治療プロセスの詳細な検証や治療ノウハウのまとめを行う。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は、国際疾病分類の第11回改訂版(ICD-11)で新たに採用された複雑性PTSDに対して、STAIR Narrative Therapy(STAIR/NSTより名称変更)の日本における実施可能性、安全性、潜在的有効性をオープンラベル前後比較試験によって検討することであった。18歳以前に身体的/性的虐待を経験し、ICD-11の基準で複雑性PTSDと診断された成人女性患者15名が研究に登録された。主要な評価項目は、国際トラウマ面接(ITI)で評価された治療後および治療終了3か月後の複雑性PTSD診断と重症度であった。 本研究の研究成果として、2020年度までにフォローアップを終えた10例についてまとめた英語論文がEuropean Journal of Psychotraumatology誌に掲載された。この研究成果については、所属機関にてプレスリリースを行うとともに、日本精神神経学会学術総会のシンポジウムにて発表を行った。論文の主要な結果は以下の通りである。治療を完了した7名のうち、6名は治療後に複雑性PTSDの診断基準を満たさなくなり、7名全員が治療終了3か月後に診断基準を満たさなくなった。また複雑性PTSDの重症度得点は、治療前と比べて治療後および治療終了3か月後に有意な改善が認められ、その効果量も大きかった。同様に、うつ症状をはじめとした様々な評価項目においても有意な改善が認められた。治療を途中で終えた3名(1名はCOVID-19の影響)のうち、中間評価を受けた2名にも複雑性PTSD症状の改善が認められた。また治療期間中に重篤な有害事象は認められなかった。本研究は、この治療が日本の臨床現場においても安全に実施可能であり、複雑性PTSDに対して効果が期待できることを確認した点で、治療を前進させる重要な成果であると考えられる。
|
現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|