研究課題/領域番号 |
19K00005
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01010:哲学および倫理学関連
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研究機関 | 兵庫教育大学 |
研究代表者 |
森 秀樹 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (00274027)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 創発 / 還元主義 / 科学哲学 / 下方因果 / 進化 / スペンサー / 心的因果 / 科学論 / Herbert Spencer / 創発主義 / 複雑系 |
研究開始時の研究の概要 |
この研究は、創発概念が誕生した状況にまで遡及して、創発がどのようにして主題化され、どのようなあり方をするものとして思考されてきたのかを概念史的な方法で解明しようとするものである。ただし、その際、創発概念のみに注目するのではなく、暗黙裡に想定されていた科学観を考慮に入れながら、創発と科学理論との関係を再検討する。そして、これらの概念史的考察に基づいて、これまですれ違いを引き起こしてきた論点を明確化する。
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研究成果の概要 |
この研究において、創発概念が誕生した状況にまで遡及して、創発が、どのようなあり方をするものとして思考されてきたのかを概念史的な方法を用いて解明した。その際、創発概念のみに注目するのではなく、暗黙裡に想定されていた科学観を考慮に入れながら、創発と科学理論との関係を再検討を行い、これまですれ違いを引き起こしてきた論点を明確化した。そして、これらの考察に基づいて、創発が単に認識論的なものではなく、存在の秩序の間に見られる存在論的な構造であること、そして、科学にとって実在は創発的な有り方をしており、かつ、その発見や実証もまた世界の中での創発的な出来事であることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
この研究は、創発概念の概念史的研究に基づいて、創発を適切に意味づけることのできる存在論を明確化した。創発主義は、単純な要素の間の相互作用によって新たな秩序が生成することを主張するが、これまで科学哲学は創発を認識論的なものでしかないと見なしてきた。還元主義的傾向のせいで、創発現象を適切に意味づけることに失敗してきたのである。それに対して、この研究は、近代的な自然科学観が依拠している認識論や存在論を吟味しなおし、創発主義の主張を適切に意味づけることのできる枠組みを提案した。このような枠組みの提案は、複雑系の科学といった意味の生成を主題化する現代的な科学の評価に寄与するものである。
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