研究課題/領域番号 |
19K00009
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01010:哲学および倫理学関連
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研究機関 | 専修大学 (2020-2022) 熊本大学 (2019) |
研究代表者 |
佐藤 岳詩 専修大学, 文学部, 教授 (60734019)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | メタ倫理学 / 規範倫理学 / アイリス・マードック / リチャード・ヘア / I.マードック / エンハンスメント / 応用倫理学 / 規範性 / 道徳性 |
研究開始時の研究の概要 |
倫理学は伝統的に善悪や正不正、徳などといった概念を扱ってきたが、20世紀後半に入ると、善悪それ自体の意味について考える基礎分野と、社会の中での現実の倫理問題を考える応用分野とが、それぞれ独立して論じられ、両者の間で乖離が目立つようになってきた。しかし、本来は両者は車の両輪として互いに密接に関係するものであり、そうでなければ実際の私たちの生活の中での倫理の問題を解決する役には立たない。本研究では、二つの分野を再び結びつける理論を探り、そこから遺伝子操作や人工知能開発などがもたらす現実の社会問題に向き合う方法を研究する。
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研究成果の概要 |
本研究課題は、「メタ倫理学と規範倫理学はいかにして再接続しうるか」という問いの元に、分断が進んできた両者を架橋する方途を探求することを目的とするものであった。研究を通じて、メタ倫理学の規範倫理学からの中立性を説いた側の理論やそれを批判する論者らの議論を検討してきた。 四年間の研究を通じて、メタ倫理学が規範倫理学から完全に中立であるということは難しく、そもそも倫理とは何かということの内容レベル、形式レベル両面の理解が、それぞれのメタ倫理学的な前提にも大きく影響していることが明らかになった。さらにそれらは最終的に応用倫理学の個別の場面に対しても影響を与えることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
この研究成果は、従来分断されたものとして理解されてきたメタ倫理学と規範倫理学の間の関係について、一定の知見を提供し、倫理学の新たな体系的な研究の萌芽を提供するものである。その際、これまでの諸議論が抱える対立に対して、それがそもそも倫理とは何かというレベルで生じてきている問題であることを明らかにしたことで、様々な対立を俯瞰する別の視点を提供するものである。社会的には、この研究成果が、倫理的な意思決定や行動に関する議論に対して有益であり、エンハンスメントを中心とした応用倫理学の場面における倫理的判断の是非の検討に役立つことが期待される。
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