研究課題/領域番号 |
19K00010
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01010:哲学および倫理学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
新名 隆志 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 准教授 (30336078)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ニーチェ / 遊戯 / 力への意志 / 生の肯定 / 人生の意味 / 自由意志と道徳的責任の懐疑論 / 道徳的反実在論 / 道徳の因果性 / ゲーム / 自由と責任 / 自由意志 / 道徳的責任 / 両立論 / 非両立論 / ニヒリズム / 死の自己決定権 / 安楽死 / 道徳 / メタ倫理学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,ニーチェ思想における重要な概念の一つである「遊戯」に定位することにより,力への意志に依拠した価値転換によるニヒリズムの克服とは何か,というニーチェ道徳思想に関する核心的問いに対して,斬新で説明力の高い解釈を提示する。 また,それにより,彼のメタ倫理学的立場についても新しい解釈視点を切り開き,彼の改革的虚構主義者としての特徴を明らかにする。さらに,以上の解釈をふまえ,ニーチェの遊戯の思想がメタ倫理学に与え得る意義を示す。
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研究成果の概要 |
本研究の基本的目的はニーチェのメタ倫理学的立場の明確化であり,「遊戯」の概念に定位してその明確化を行う解釈の可能性を探ることであった。 本研究は計5編の学術論文およびそれに関連するシンポジウム提題や学会・研究会における発表を成果としてあげることができた。これらの成果を通して,ニーチェの遊戯概念の内実と成立過程を相当程度明らかにすることができ,また,現代のメタ倫理学や自由と責任の哲学の観点からのニーチェ道徳思想の解釈を大きく発展させることができた。さらに,ニーチェ的な遊戯の概念に即して,現代の人生の意味の哲学や反出生主義に見られる生否定の哲学などに対するニーチェ思想の意義も示すことができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ニーチェにおける遊戯概念の重要性は周知のことだが,その重要性の内実についてはこれまで明確にされてこなかった。本研究は,行為を遊戯と捉えるニーチェの行為論が後に力への意志説として展開されることをテクストに即して明確に示した。また,この解釈において示したニーチェの遊戯の思想が,現代の人生の意味の哲学や反出生主義との対比において興味深い現代的意義をもつことも明らかにした。 さらに本研究は,ニーチェにおける自由と責任の問題を現代の自由と責任の哲学との関係における明確化と,ニーチェの道徳的反実在論の論拠の明確化という,ニーチェ道徳思想の現代的意義に関する重要な成果をあげた。
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