研究課題/領域番号 |
19K00022
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01010:哲学および倫理学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
秋吉 亮太 早稲田大学, 高等研究所, その他(招聘研究員) (20587852)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 哲学 / 論理学 / 証明論 / 形式主義 / 京都学派 / 西田幾多郎 / 証明論的意味論 / フッサール |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,戦後に活躍した論理学者の竹内外史の論理哲学を学際的・国際的なアプローチで解明することで,形式主義の新たな展開を切り開くことを目指す.特に,竹内外史の哲学的基盤(とりわけ無矛盾性プログラムの基盤である有限の立場)を,その論理学的内容の正確な理解や分析を伴いつつ,ヒルベルトの有限の立場との比較検討を通じて,竹内が独自のプログラムを構想していたことを明らかにする.そして,この論理学的プログラムを,竹内が言及している西田幾多郎などの「京都学派の哲学」の観点からも吟味したい.必要に応じて国際共同研究を行うことで,日本から世界に「証明に関する数理哲学」を発信することを目指す.
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研究実績の概要 |
今年度は(1)京都学派の数理哲学、(2)竹内外史の論理哲学、(3)高階論理の証明論的意味論、(4)デジタルツインや志向性の論理、(5)最初期フッサールの論理哲学について研究を進めた。コロナ渦を原因とする互いの多忙があったものの、いくつかの論文の出版をすることができた。 (1)京都学派の数理哲学については査読付き英語論文として出版することができた。この論文は海外からの興味を大きく引くものであり、反響が大きかった。 (2)竹内とフェファーマンを比較する研究については、投稿に至らなかったため来年度も研究を続ける。また、ロレーヌ大学アラナ教授と直観概念に関する論文集を編集することになった。我々も数学における直観概念について寄稿する予定であり、共同研究を開始した。 (3)高階論理の証明論的意味論についてはパリ大学のナイーボ准教授との共同研究であり、 ドラフトの仕上げ作業を進めて40-45頁ほどのそれなりの分量のドラフトができつつある。 (4)京都大学のグループと開始したデジタルツインや志向性の論理に関する共同研究については、デジタルツインについての論文を査読付きの国際誌に出版することができた。志向性の論理についても各パーツについてはほぼ書き上がっているため、来年度に投稿を目指す。 (5)最初期フッサールの論理哲学については、すでに学会発表を終えておりドラフトが複数種類存在しているものの、最終版を書くには至らなかった。(岡山大学の植村玄樹准教授との共同研究)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度から課題にしていた京都学派の数理哲学についての論文出版ができたこと、デジタルツインについての論文を査読付きの国際誌に出版することができたこと、他の研究についてもそれぞれ進んでいることから、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
京都学派の数理哲学については論文を出版することができたため、竹内外史の論理哲学、高階論理の証明論的意味論、志向性の論理、最初期フッサールの論理哲学についての論文を完成させて投稿する。どの論文も(程度の差はあれど)完成に近いといえるものが多いため、来年度に集中して作業を行うことで出版することを目指す。
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