研究課題/領域番号 |
19K00028
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01010:哲学および倫理学関連
|
研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
井頭 昌彦 一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (70533321)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | 真理 / 多元論 / 形而上学 / 社会科学 / 人文学 / プラグマティズム / 客観性 / 側面図 / 質的研究方法論 / 因果 / KKV |
研究開始時の研究の概要 |
真理論においては「真理の多元論」と呼ばれる立場が21世紀以降において注目を集めている。《真理についての哲学的立場》と《形而上学的世界観》との間には密接な関係があるはずだが、従来の対応説などとは異なり真理の多元論についてはそこから帰結する形而上学的描像についての研究が十分に進んでいない。本研究では、両主題に繋がりを作るための補助線としてプラグマティズムに着目し、《真理の多元論のための形而上学的世界観》を構築することでこの現状の打開を試みる。
|
研究成果の概要 |
研究の初期段階では、「世界は物理的なものだけから成り立っている」とする物理主義的一元論の立場についての批判を行った。この成果は国内研究会および国際カンファレンスでの研究報告を経て、2025年度に出版予定の論集に掲載予定である。また、「言説領域ごとに真理を実現する性質は異なりうる」とする真理の多元論の可能性を検討するため、人文学・社会科学の諸分野における研究実態と方法論についての検討を行った。成果は、5件の国内研究会と1件の国際学会での報告を経て、井頭(編著)『質的研究アプローチの再検討:人文・社会科学からEBPsまで』(勁草書房2023)として出版された(筆者は4章100ページ程度を執筆)。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は真理という基礎概念について改めて問い直すものであり、特に真理の多元論という立場の可能性が模索されている。一般に、真理といえば世界との対応、つまり《世界を正しく写しとっていること》を意味するものと理解される。しかし、そのような理解は物理学や化学といった自然科学については適切と思われる一方で、倫理学・数学・論理学といった学術領域および一部の社会科学についてはこの考えを維持することが難しい。本研究ではこうした学術領域にも適用可能な真理概念の理解を目指し、研究が実際にどのように進められ何をゴールとしているかという点から、これらの学術領域における《研究の正しさ》を多面的に理解することに貢献した。
|