研究課題/領域番号 |
19K00036
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01010:哲学および倫理学関連
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研究機関 | 京都大学 (2020-2021) 北九州市立大学 (2019) |
研究代表者 |
伊原木 大祐 京都大学, 文学研究科, 准教授 (30511654)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 出来事 / 情動 / 宗教体験 / 危機 / 宗教哲学 / 宗教作用 / 非日常性 / 限界状況 / 実存哲学 / 異端 / 新事象 / 反歴史 / 非日常的事件 / 情感性 / 意志 / 共苦 / 異端思想 / フランス現象学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、近代以降の哲学理論における「主観‐客観」、「内在‐超越」、「志向作用‐志向対象」といった認識論上の相関関係に代えて、新たに「情動(affect)‐出来事(event)」という組み合わせを現象性の根本構造として提起し、もっぱら現代フランス現象学と宗教哲学に由来する思想的リソースを活用しながら、その理論的含意と適用可能性を探究するものである。
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研究成果の概要 |
研究では、主に近現代哲学が認識論の枠組みとして利用してきた「主観‐客観」、「志向作用‐志向対象」といった相関関係に代え、新たに「情動‐出来事」という対を現象性の基本構造として提起している。研究の進展につれて、この相関関係が宗教体験の生成を説明するのに有効であることが判明した。そうした着想の源にあるのは、日本の宗教哲学者である石津照璽と武内義範の思想であるが、その再発見と再評価もまた本研究の重要な成果の一つである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
死や病苦、さらに戦争・災害やパンデミックといった、そのつど特殊な偶発事でありながら人間存在にとって普遍的かつ本質的な危機は、広く社会不安の源となってきただけでなく、古今の哲学・宗教思想を長らく触発してきたテーマでもある。本研究は、こうした論点に関して、新たな認識論的モデルを提起することで一定の哲学的理論化を試みるものであるが、それは個人的・社会的な危機状況の受け止め方を変えてゆくことにも役立つと思われる。
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