研究課題/領域番号 |
19K00039
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01010:哲学および倫理学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
小林 亜津子 北里大学, 一般教育部, 教授 (00383555)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 訪問看護 / 看護倫理 / 在宅ケア / ナラティブ / ケア倫理 / 終末期ケア / QOL / 在宅医療 / ターミナルケア |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では「医療とケアの媒介者としての訪問看護師」像を明らかにすることを目的としている。 2014年に「規範的統合」という言葉が登場したように、近年、ケアのための「多職種協働」が強調され、医師、ケアマネージャー、介護福祉職、行政や成年後見など、看護職以外の職種との関わりが密接になり、彼らとの「連携」のなかで、医療の選択やケアプランが決まっていく。この「医療と介護の統合」のなかで、訪問看護師は「病気も人もみる」ことになる。 本研究では、医療とケアを媒介する訪問看護師固有の倫理的責務とは何かを明らかにし、看護職の直面する倫理的葛藤に対する具体的な対策を検討するための基盤を確立することを狙っている。
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研究実績の概要 |
国内外の文献および介護事業所、訪問看護ステーションのスタッフの協力を得て、訪問看護師が他の職種(医師、ケアマネジャー、介護ヘルパーなど)に対してモラルジレンマを感じた事例を収集し、科研費のために立ち上げたホームページ「訪問看護倫理」上にて、在宅でのターミナルケア、障害者のケア、認知症高齢者の医療選択などのカテゴリーごとに分類し、事例データベースの拡充を図った。 また、同ホームページにて、上記の事例データベースを「自律尊重の原則」、「守秘義務」、「コンピテンス」などのキーワード検索ができるようにすると共に、一般の人に向けたブログ記事を書いて発信することができた。 上記の研究結果を踏まえ、看護学生を対象とした共著のなかで、患者、療養者のQOLや価値観の多様性に対応した訪問看護ケアの必要性について、論じることができた。 また、対談企画や雑誌原稿等を通じて、看護者や哲学研究社のみならず、一般の人に向けて、医療技術の進歩と人間性との調和についての倫理問題を発信することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画で予定した通り、共著のなかで、施設内看護のみならず、訪問看護ケアへの「看護倫理」の適用可能性について、示唆することができた。また、「訪問看護倫理」ホームページ上で、事例データベースの拡充を図るとともに、ブログ記事を充実させることができた。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、「医療とケアの媒介者」としての訪問看護師像に注目しながら、国内外の「訪問看護倫理」についての事例を収集し、事例データベースの拡充を図る。また、これらの研究成果を、ホームページのブログ欄を利用して、一般の人々にも発信していく。
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