研究課題/領域番号 |
19K00041
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01010:哲学および倫理学関連
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研究機関 | 國學院大學 |
研究代表者 |
藤野 寛 國學院大學, 文学部, 教授 (50295440)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | アドルノ / 歴史哲学 / 美学 / 弁証法 / 啓蒙 / 『美的理論』 / 『美学講義1961/62』 / 『歴史哲学講義1958』 / 『啓蒙の弁証法』 / ゲオルク・ベルトラム / 批判理論 / 美的理論 / 啓蒙の弁証法 / モデルネ芸術 / 美学講義 / 歴史哲学講義 / ユリアーネ・レーベンティッシュ / 現代芸術 |
研究開始時の研究の概要 |
アドルノの哲学を原典の緻密な読解を通して正確に理解することが課題の中心となる。とりわけ美学と歴史哲学の関係に焦点をしぼり、アドルノの哲学の全体像を浮き彫りにすることがめざされる。 具体的には、第一に、過去30年間、研究代表者が月に一度のペースで行ってきたアドルノの哲学・美学の著作を原典で読む勉強会を参加者を増やしつつ継続する。 第二に、研究代表者が夏期休暇を利用してベルリンのヴァルター・ベンヤミン・アルヒーフに赴き、『美学講義(1961/62)』と『歴史哲学入門講義(1957)』を閲読し筆写する。 第三に、現代ドイツのアドルノ研究者を毎年一人日本に招き、講演会・研究会を開催して学問的交流をはかる。
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研究成果の概要 |
第一に5年間、ほぼ毎月、合計60回の「美学理論研究会」を5~10人の参加のもとズーム開催した。第二に、申請者が合計5度、ベルリンのベンヤミン・アルヒーフに赴き、アドルノの『美学講義1961/62」『歴史哲学講義1957』を閲読、筆写した。「美学理論研究会」では2006年来、アドルノの哲学的主著『否定弁証法』と『美的理論』を原典購読し議論してきた。並行して『美学講義1958/59』を読み進めてきたが、アドルノ美学理解にとって重要なこの講義を翻訳・刊行しようという企画が生まれ、研究会メンバーの分担協力のもと翻訳作業に取り組んできた。翻訳原稿が出そろい原稿の校正段階に入っている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アドルノの哲学的思考の中心には美学・芸術論がある。けれどもその唯一の体系的著作である『美的理論』は難解を極め、しかも邦訳の質が極めて低いため、日本のアドルノ研究は未だにアドルノ美学の全貌を捉えられずにいる。 申請者が主催する共同研究グル-プ「美学理論研究会」はアドルノのこの美学上の主著を原典で読み議論するというところから出発し、先ず2019年に研究成果を共著『アドルノ美学解読』において公にした。次いで、極めて懇切丁寧に語られたアドルノ『美学講義1959/60』の共同翻訳に着手し、近く刊行される。日本のアドルノ美学の研究は、この両書によって礎石を置かれたと考える。
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