研究課題/領域番号 |
19K00044
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01010:哲学および倫理学関連
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
稲垣 諭 東洋大学, 文学部, 教授 (80449256)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 現象学 / パフォーマンス / 身体 / 人類 / 性 / 臨床 / パフォーマティヴ性 / 内的経験 / 生 / 身体性 / 内面化 / セクシュアリティ / メルロ=ポンティ / 魔術 / 技術 / オートポイエーシス / システム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の力点は、現代美学及び演劇論を手がかりに、現実の臨床において疾患や障害を抱える人々がより豊かに自らの世界を構築するための選択肢を、現象学的アプローチを用いて模索することであり、そこでは単なる観察と記述にとどまらない「主体の変容」がターゲットとなる。さらにパフォーマンス的な臨床の試みが、実は60年代以降に成立したパフォーマンス的転回の流れに正確に位置づけられる実践であるという固有な視点も明示できると確信している。
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研究成果の概要 |
本研究は、現象学的なアプローチを主軸に、「生」や「主体」、「身体」がもつパフォーマティヴィティ/パフォーマティヴ性を通じてそれらの経験がどのような変容や拡張の実践的な可能性をもつのかの考察を行なった。その際、1)テクノロジーの発明を含む人類という人間の出現全体の問題、2)臨床経験における主体と身体の問題、3)性という生物学的、社会学的な複合経験の問題、最後に4)現象学それ自体のパフォーマンスの拡張に関わる問題から、課題に取り組んだ。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現代哲学のひとつ現象学において、このパフォーマティヴ性という経験がどのような対象に適応可能で、かつ、それがどこまで適応可能があるのかは明確ではない。生、主体の内面性、身体、人間、性、テクノロジー、これらの存在は、世界内において固有なパフォーマンスを発揮しながら同時にその見かけを装うことになる。このパフォーマンスの二義性に基づき、上記の対象を現象学的な記述とともに解明し、さらにはその現象学そのもののパフォーマンスを更新する試みを行なった。これらの成果は、哲学研究者だけではなくそれ以外の参入者に対しても現象学的アプローチのさらなる展開および適応範囲の拡張を可能にすると考えられる。
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