研究課題/領域番号 |
19K00046
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01010:哲学および倫理学関連
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研究機関 | 東京都市大学 |
研究代表者 |
山本 史華 東京都市大学, 共通教育部, 教授 (20396451)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 生命倫理 / 褻 / 日常 / 脳死 / 臓器移植 / 安楽死 / 尊厳死 / 民俗 / 民俗学 / 脳死臓器移植 |
研究開始時の研究の概要 |
生命倫理学がかつてもっていた、医学・医療を一般社会へと広く開いていく方向性を取り戻すために「日常=褻(ケ)」の観点から生命を問い直す。①国際的なベクトルと②文化固有のベクトルの二つのベクトルをもって進める。 ①では、生命倫理学ではほとんど扱われない低線量被曝を取り上げ、その倫理が「日常=褻」の観点なくしては理解できないことを世界に向けて発信し、新たな生命倫理原則の提示を試みる。 ②では、日本人ならではの生命観や死についての考え方・エートスがあるとすれば、どのようなものであるのかを、民俗学の文献分析から解き明かし、来るべき臓器移植法の再改正や安楽死法案に対して適切な提言ができるようにする。
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研究成果の概要 |
本課題は、「日常=褻」の観点から生命倫理学の諸課題を問い直すことを目的としている。生命倫理学は、その黎明期には医学・医療を我々の日常生活へと広く開いていく方向性を有していたが、その方向性は次第に失われ、現在は最先端の医療現場や医療政策に呼応する倫理の研究が主になってしまっている。しかし、例えば生命倫理学で頻繁に取り上げられる死の問題一つとっても理解されるが、死は医療だけの問題ではない。それは、日常生活を生きる人間の問題であり、日常の中で再検討されるべき課題である。 以上の観点に立つことで、本課題は特に脳死と安楽死を日本人の日常の中に位置づけなおし、両者を下支えするエートスの解明を試みた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
1997年の臓器移植法制定から四半世紀が経つが、日本では脳死下ドナー数が伸び悩んでいる。この理由は医療制度の問題として論じられがちだが、実はその背後には臓器へのアニミズム的感覚や意識の有無だけで生死を区別しない死生観があることを主張した点が本課題の学術的意義である。また積極的安楽死に賛成は七割を超えるという調査結果(2015)があり法制化の動きもあるが、日本人の安楽死容認の理由として頻繁に挙げられる「他人に迷惑がかかるから」は、自己決定では片付けられず、他者への関係性が入り込んでいるため、自己決定の理由としては十分ではない。ゆえに法制化には慎重であるべきだと唱えた点が社会的意義である。
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