研究課題/領域番号 |
19K00051
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01010:哲学および倫理学関連
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研究機関 | 九州産業大学 |
研究代表者 |
藤田 尚志 九州産業大学, 国際文化学部, 教授 (80552207)
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研究分担者 |
宮野 真生子 福岡大学, 人文学部, 准教授 (40580163)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 人格性 / 主体性 / 現代フランス哲学 / 分人 / 愛 / 性 / 家族 / フランス近現代哲学 / ベルクソン / 主体 / 人格 / フランス近現代思想 / 愛・性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、フランス現代哲学の主体・人格概念を、日・英の潮流と比較しつつ、愛・性・家族の解体・再構築に関する事例分析に即して再検討することを目的とする。多様な思想潮流に属する現代フランスの思想家たちは、愛・性・家族に関する諸現象が主体や人格という概念に対して提起する諸問題をどう取り扱ってきたのか。次世代のフランス哲学や英米圏の分析哲学の流れも検討対象に加えつつ、近現代日本精神史における主体・人格概念との比較をより力強く推進することで、主体・人格概念の徹底的な改変を試みたフランス現代哲学を、現代社会において動揺する愛・性・家族に関する新たな理論の模索として読み直す可能性を探りたい。
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研究成果の概要 |
絶えずさらなる流動化にさらされ、何とか安定性を求めようとする現代社会の主体性・人格性を考えるに際して、現代フランス哲学は「分人」概念によって寄与をなしうるのではないか。「分人」とは、それ以上分けて考えることのできない「個人」(individual)ではなく、同時多層的に働く(dividual)存在様態である。本研究では、この概念の源流を18世紀のフランス文学者レチフ、19世紀の思想家フーリエにまで遡り、20世紀の哲学者ベルクソンのうちに「響存」(echo-sistence)という形で見出されることを確認した。今後は時間意識や記憶の分析哲学との接合を深め、さらにこれらの概念を追求していきたい。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
人格・主体性概念は社会・政治分野にも教育分野にも大きな影響を及ぼす重大な概念である。一例を挙げれば、数年前に提唱されたDivicracy(分人的民主主義)は投票に「分人」概念を持ち込み、一人一票ではなく、数パーセントずつ分けて投票することを提唱している。将来的には、このような社会政策への提言(とりわけ愛・性・家族に関する提言)につなげられればと考えている。
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