研究課題/領域番号 |
19K00052
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01020:中国哲学、印度哲学および仏教学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
三浦 秀一 東北大学, 文学研究科, 教授 (80190586)
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研究分担者 |
山田 俊 熊本県立大学, 共通教育センター, 教授 (30240021)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 中国近世 / 諸子学 / 老子 / 荘子 / 道家 / 文子 / 法言 / 管子 / 道家思想 / 宋明 / 宋代思想 / 明代思想 / 中国哲学 / 宋明時代 / 道家道教思想 / 仏教 |
研究開始時の研究の概要 |
南宋後半、福建の民間書肆が科挙の受験参考書として売り出した纂図互註系の諸子書は、元朝でも版を重ね、明朝嘉靖年間には官版「六子書」および世徳堂本「六子」の底本として活用された。かかる出版活動もまた中国近世諸子学の枠組みを構成するひとつの要素であり、本研究は、老荘学の精華とも称しうる諸注釈書への分析を幅広くおこなう一方、各種の類書や目録、道蔵や科挙関連の出版物、大型の諸子学系叢書など、これまで十分には活用されてこなかった諸文献をも渉猟しながら、中国近世における道家思想の展開を諸子学史の流れに位置づけ、さらには中国近世思想史の全体と関連づける。
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研究成果の概要 |
本研究では、宋明時代の道家思想に関する各自の研究をさらに深め、主として以下の二点について新たな成果を示すことができた。 ①:従来はその名前を知られる程度だった知識人による老子注を読解し、その内容や特徴、思想史的位置を明確にした。具体的には北宋の李畋、金代の時雍や張秉文、明代の薛蕙や王道などの注釈に関する分析がある。②:宋明時代の知識人は『老子』や『荘子』以外の諸子として、たとえば『文子』や『管子』、『法言』などの思想に興味を抱いていた。かれらのそうした知識が老荘注に反映されていることを、その意図や時代性とともに明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
中国近世の知識人は、『老子』に由来する「無欲」と「有欲」の組合せや『荘子』に拠る「坐忘」や「双忘」といった概念に思想的価値を見出し、該書に対する注釈を熱心に作成した。それは、道家思想それ自体の深化をめざす営為であるとともに、同時代の儒学思想の活性化を企図する思想運動でもあり、本研究は、その運動の広汎な展開と、その展開に伴って拡大した老荘以外の諸子書への関心の昂揚とを解明した。その成果は、儒学思想の展開を中心に語る従来の中国近世思想史研究に対し、視野の拡張を要求する学術的意義をもつ。
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