研究課題/領域番号 |
19K00060
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01020:中国哲学、印度哲学および仏教学関連
|
研究機関 | 北海道大学 (2020-2022) 北海道科学大学 (2019) |
研究代表者 |
山畑 倫志 北海道大学, 高等教育推進機構, 講師 (00528234)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | ジャイナ教文学 / 古グジャラート語文学 / アパブランシャ語文学 / 聖者伝文学 / バクティ / 聖地信仰 / 尊像崇拝儀礼 / ガッチャ / 古グジャラート文学 / ジャイナ教聖者伝 / ラーソー / ネーミナータ / 尊像崇拝 / 葬送儀礼 / クリシュナ / ジャイナ教 / アーナンドガン / ジナダッタ / 聖者伝 / ラージャスターン語文学 / ラーマ / 古グジャラート語 / 聖地 / アパブランシャ語 / ジャイナ教説話 / バーラマーサー |
研究開始時の研究の概要 |
インド文学の歴史においてサンスクリット語などで著された古典文学と近代インド諸語文学の関係は必ずしも明らかではない。両者を繋ぐ鍵となるのが12世紀前後のインド西部のジャイナ教徒である。ジャイナ教は古くから説話文学の伝統を持つが、12世紀頃を境に古グジャラート語などの近代インド語による多様な作品を生み出していく。 一方、12世紀はクリシュナ信仰に基づくバクティ運動が展開した時期でもある。この時期のジャイナ教文学は聖地の賞賛や恋愛譚などを多く含み、バクティ運動からの影響を強く示唆する。本研究の目的はジャイナ教説話文学から古グジャラート語文学への展開におけるバクティ運動の影響を明らかにすることである。
|
研究成果の概要 |
3世紀から11世紀にかけて北インド西部で発展し多くの作品を生んだジャイナ教文学は、12世紀頃にその内容や形式、言語を大きく変えた。しかし、その変化の要因については未だはっきりとはわかっていない。 本研究ではその要因の一つが、ジャイナ教文学の中心ジャンルである聖者伝文学と、12世紀前後から北インド西部まで広がりを見せていたバクティ運動との相互関係にあると考え、実際の文学作品の分析を進めた。 研究成果としては、聖地文学、尊像崇拝儀礼、ジャイナ教団の質的変化のそれぞれについて、バクティ運動を含めた当時の社会状況が影響していること、またクリシュナと関係の深いネーミナータの重要性を明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究による研究成果の学術的意義は、ジャイナ教文学の変化の要因の明確化である。12世紀前後に生じたジャイナ教文学の大きな変化について、同時期に北インドで広まりはじめた、クリシュナ信仰に基づくバクティ運動を含めた当時の大きな社会的変化が要因の一つであることを示した。、 また社会的意義としては、南アジア地域において少数派であった時期が長かったジャイナ教が、具体的にどのような経緯で共同体や教団を存続させてきたのか、その一端を明らかにすることができた。これは、南アジア地域の宗教的多様性の成り立ちの解明に寄与するものであり、また多様性を尊重する社会構築の具体的方策の検討にもつながるものである。
|