研究課題/領域番号 |
19K00066
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01020:中国哲学、印度哲学および仏教学関連
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研究機関 | 国際仏教学大学院大学 |
研究代表者 |
堀 伸一郎 国際仏教学大学院大学, 国際仏教学研究所, 研究員 (60339778)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | サンスクリット写本 / 写本識語 / 東インド中世史 / 後期インド仏教史 / ヴァルマン朝 / 文化財修復 / 赤外線撮影 / 放射性炭素年代測定 / パーラ朝 / アバヤーカラグプタ / インド暦 / 東インド写本 |
研究開始時の研究の概要 |
まず既存の写本カタログや美術館・博物館の図録等を手掛かりに、東インドに由来するサンスクリット写本を抽出する。所蔵機関に写本の閲覧・撮影申請を行い、可能な場合は現地に赴いて実見調査・赤外線撮影等を実施し識語を可能な限り精確に解読する。識語に含まれる様々な情報(筆写年代・地名・寺院名・王名・筆写者名・寄進者名・所有者名・肩書等)を収集する。年代・日付が記される場合は、インドの暦法に基づき西暦換算・確定を試みる。地名が記される場合は、地理情報システム(GIS)データベースを援用しながら作成場所の特定を試みる。比定できる蓋然性が高い村落が見つかった場合は、現地調査を実施し仏教徒の痕跡を探る。
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研究実績の概要 |
ダブリンのThe Chester Beattyが所蔵する、Pancavimsatisahasrika Prajnaparamitaサンスクリット写本(CBL InE 1463)は、修復作業が現地で進められている。第3葉の表面に癒着した断片が剥離された結果、以前の実見調査では読めなかったテキストが解読でき、写本冒頭に書かれている讃歌の題名と作者名が部分的に明らかになった。このことについて、日本印度学仏教学会第74回学術大会で口頭発表を行った。The Chester Beattyで調査を実施した際には、修復作業の結果剥離された断片を撮影したうえでテキストを解読し、多くの場合、前後のフォリオの一部が癒着していたものであり、欠損部分を補えることが明らかとなった。修復・保存の過程で分離した断片の一部は、両面にテキストも絵画も含まれていない。このような両面空白の断片を放射性炭素年代測定の試料として利用する申請を行い、The Chester Beatty理事会で正式に承認されたため、質量10mgに満たない断片を現地で採取した。同断片について、東京大学総合研究博物館の所有するコンパクトAMS装置で、次年度炭素年代測定を実施する予定である。 インドでは4年ぶりに写本の実見調査を実施できた。コルカタのアジア協会では、西暦1436年に東インドで作成されたBodhicaryavatara写本(G 8067)を実見調査した。年代の明記された識語を含む同写本の最終葉は、現在半透明の紙が表面に貼ってあり肉眼ではテキスト解読が困難である。同協会の特別な許可を得て赤外線撮影を行ったところ、文字の鮮明なデジタル画像を得ることができた。 河口慧海がチベットから将来し、現在東洋文庫が所蔵する、チベット語写本大蔵経・華厳部(Phal chen)の高精細デジタル画像がインターネットで公開されるにあたり、大方広仏華厳経の題名と現存サンスクリット写本について、英文の論文2点を東洋文庫ウェブサイト(https://app.toyobunko-lab.jp/s/manuscript_kanjur/page/introduction)で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
4年ぶりにインドで写本の実見調査を実施できたほか、イギリス・アイルランドでも昨年度に続き調査を実施できたが、北米で予定していた調査が未実施のため、補助事業期間を更に1年延長する申請をし承認された。
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今後の研究の推進方策 |
ニューヨークにある複数の博物館・美術館が所蔵する東インド写本の実見調査を実施する。15世紀の写本識語に記される村落名に比定できる可能性のあるビハール州の村落の現地調査を行う。
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