研究課題/領域番号 |
19K00071
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01020:中国哲学、印度哲学および仏教学関連
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研究機関 | 種智院大学 |
研究代表者 |
SHAKYA Sudan 種智院大学, 人文学部, 教授(移行) (60447117)
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研究分担者 |
岩田 朋子 龍谷大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (80469204)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 仏教写本 / ネパール仏教 / ナーマサンギーティ / 布薩・ヴラタ / ホジソン / 仏教儀礼グル・マンダラ・プージャ / 仏教教団 サンガ / ネワール / グル・マンダラ儀礼 / 阿闍梨作法集 / 言葉の効力 / 仏伝文献 / ヴラタ・布薩 / 女神 / グル・マンダラ / ランジャナー文字 / 布薩 / ヴラタ / 仏伝 / 仏教教団 / 『ナーマサンギーティ』 |
研究開始時の研究の概要 |
仏教の伝承においては、当時の王室や権力者の支援は不可欠であり、その弱体化がそのまま衰退の歴史でもある。一方、ネパール仏教が現代まで保持されてきた要因としては仏教僧団(サンガ)を支える一般の在家信者の役割が大きい。彼らは仏教僧の修行生活を援助するのみならず、在家信者であっても仏教僧の生活を擬似体験できる儀礼(ヴラタ/布薩)に積極的に参加した。この儀礼を運営してきたことが、ネパール仏教が継承されてきた背景の一つといえる。また、現地調査も実施することで、原住民であるネワール人の文化の影響下で発展した仏教儀礼の体系を明確にし、サンスクリット語を基盤とするインド仏教の伝播と変遷を解明する一助としたい。
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研究成果の概要 |
新出の『ナーマサンギーティ』写本は19葉のみ現存し、第35葉表に残る奥書から、西暦1211にアリ・マッラ王の統治時代に書写されたことが判明した。これと類似した写本がアーシャー・アーカイブスにも所蔵されており、13世紀頃に書写された可能性が高く、『ナーマサンギーティ』の新校訂テキスト作成のための貴重な資料となった。 『阿闍梨作法集』を典拠とする「グル・マンダラ供養」は、ネパール仏教の根本的な実践儀礼であり、日常勤行から布薩・ヴラタ儀礼などの複合的な儀礼にも用いられている。現行の「グル・マンダラ供養」の儀礼次第には、盆地内の寺院や地域によって隔たりが存在し、調査した新出写本類からも確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
西暦1211に書写された新出『ナーマサンギーティ』写本は、その後の年代不明の写本の制作時期を解明する手がかりとなる。ネパールでの個人所蔵写本の調査を通じて、それらを文化財として保存し、内容分析により仏教学以外の分野にも新たな研究資料として提供することができた。 ネパールで実践されている儀礼の変遷はインド仏教の変遷そのものであり、僧侶と在家信者との関係やネパールの社会構造を知るのに役立つだろう。
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