研究課題/領域番号 |
19K00075
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01030:宗教学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山下 博司 東北大学, 国際文化研究科, 名誉教授 (20230427)
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研究分担者 |
保坂 俊司 中央大学, 国際情報学部, 教授 (80245274)
竹村 嘉晃 国立民族学博物館, 学術資源研究開発センター, 外来研究員 (80517045)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | シンガポール / 宗教間理解 / 宗教間対話 / 宗教政策 / 文化政策 / 多元社会 / 宗教多元主義 / 複合民族国家 / 移民 / 民族集団 / 共存 / 宗教間関係 / 宗教 / 芸能 / 舞踊 / イスラーム / 社会的包摂 / ヒンドゥー寺院 / 異文化理解 / 国家経営 / 多文化共生 / 異宗教間対話 / 文化多元主義 / グルドワーラー / アーツマネージメント / 宗教和諧 / インド系宗教 / 多文化主義 |
研究開始時の研究の概要 |
本課題は、民族と宗教が混在するシンガポールを対象に、錯綜する民族間関係と宗教間関係の現状を分析し、諸集団の調和的関係の構築・維持の方策と仕組みとを、宗教を軸に官民の双方向から捉える試みである。宗教問題と宗教政策を安寧秩序の要と捉え、各宗教・各民族文化に精通し方法論的にも多様な専門家を動員して核心に迫る。宗教と密に絡む民族文化の問題も考察に加え、文化政策の動向に配慮しつつ、宗教間問題を軸に同国のコミュニティビルディング/ネイションビルディングの重要な一側面に迫る。 典型的な多宗教・多民族社会の足跡と試行錯誤の批判的検証を通じ、複合社会化しつつある日本への重大な示唆を得ようとするものである。
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研究成果の概要 |
本研究は、多元社会シンガポールを主たる研究対象に位置づけ、錯綜する民族間関係と宗教間関係の現状分析を踏まえ、集団間の調和的関係の構築・維持の方策とメカニズムとを、現地調査を核に、複眼的視点から捉えようとするものとして企画された。しかし初年度後半から表面化したコロナ感染症が進捗の大きな障害となった。メンバーは、予期に反してオンラインでの取材活動を余儀なくされたが、各々工夫を凝らして業績に結実させることができた。この間、コロナ感染症への宗教施設の対応やパンデミック下の儀礼の変容など、思いがけない事態に遭遇して、新たな問題意識の萌芽を得ることができたのは、ある意味で幸いなことであった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
民族間の調和的関係は宗教間の調和的関係と不可分である。シンガポールを含むマラヤ世界は、典型的な民族縦割り構造をなし、民族と宗教の対応関係も錯綜している。諸集団が相互排除的な関係にとどまるかぎり、コミュナル対立の火種は潜在し、他者理解に裏打ちされた集団間の和諧は遠のく。本研究では、この観点から、地域社会に併存する集団間にいかにして不和が起こり、またいかにすれば調和的関係が構築され得るかについて、理念と実践の両面から考究され、集団間の平和的共存の鍵としての社会的包摂の実現可能性が検討された。今回の研究成果は、多元社会に踏み台筒ある日本への示唆を含むものとして学術的価値は小さくない。
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