研究課題/領域番号 |
19K00078
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01030:宗教学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
平瀬 直樹 金沢大学, 歴史言語文化学系, 教授 (10283087)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 大内氏 / 山岳霊場 / 中下層身分 / 山伏 / 加賀一向一揆 / 長床衆 / 法華堂衆 / 本泉寺 / 医王山 / 金沢 / 宝満山 / 大宰府 / 一向一揆 / 二俣 / 若松荘 / 修験 / 東大寺 / 両堂衆 / 高野山 / 神道 / 室町期 / 宗教 / 領国支配 / 山岳寺院 |
研究開始時の研究の概要 |
A.2019年度 大内氏の宗教政策の研究。①妙見が国家の守護神にされる動きや大内氏の妙見信仰の道教的な性格を検出する。②<山岳寺院>が村々の鎮守社と密接な関係を結び、大内氏による村落支配の末端の役割を果たしていたことを明らかにする。 B.2020年度 他の守護領国との比較。諸国の守護が一族を統合するためにどのような寺社を崇敬し、また領域内の村落を支配するためにどのような寺社を保護したり統制したりしていたかを明らかにする。 C.2021年度 研究成果の発信。日本仏教綜合研究学会で研究発表を行い、学術雑誌に研究成果を投稿する。
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研究成果の概要 |
(1)守護大内氏は所領をめぐる紛争を裁定したり、境内に禁制を下したりして、九州の山岳霊場の保護に努め、山岳霊場は祈祷による奇瑞を起こして大内氏に奉仕した。(2)同じ山岳霊場で「行」に従事する顕密寺院の中下層身分と組織外の山伏との関係について、高野山長床衆と東大寺法華堂衆の事例を検討した。山伏が中下層身分に加わるのと中下層身分が山伏に加わるのと両方向の運動により、本来は正統的な学僧が主導していた山岳霊場に修験道的な要素が増大して行った。(3)加賀一向一揆の担い手は、史料上の「百姓」、「土民」、「土一揆」という表現から判断して「村の侍」を含む多様な階層の農民たちと考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
当初の研究課題は「守護大内氏による村落支配の末端の役割を果たす山岳霊場」であったが、現地調査が困難になったため(1)~(3)に目標を変更した。 (1)北部九州での大内氏の宗教政策の一端を明らかにすることができた。(2)近畿地方でタイプが異なる高野山長床衆と東大寺法華堂衆の事例に注目したことにより、正統的教学を奉ずる顕密寺院が修験化していく運動を巨視的にとらえることができた。(3)加賀一向宗の担い手に注目することによって、顕密寺院では成しえない広範な農民の連帯を指摘することができた。
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