研究課題/領域番号 |
19K00097
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01030:宗教学関連
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研究機関 | 国立歴史民俗博物館 |
研究代表者 |
松尾 恒一 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (50286671)
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研究分担者 |
片岡 樹 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (10513517)
中西 裕二 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (50237327)
上島 享 京都大学, 文学研究科, 教授 (60285244)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 東南アジア仏教 / 日本仏教 / 国家統治と寺院、仏教儀礼 / 東南アジア・東アジアにおける仏教、民間信仰の現況 / 日本における仏教、民間信仰の現況 / 上座部仏教圏と大乗仏教圏の、宗教と社会の比較研究 / 寺院組織 / 民俗神と仏菩薩との習合と社会 / 東南アジア・東アジアにおける仏教、民間信仰 / モンゴルのチベット仏教 / 東南アジア・東アジアにおける仏教と民間信仰の現況 / 僧団 / 大乗仏教 / 上座部仏教 / 王権 / 顕教 密教 / 民俗信仰 / 地域社会 / 顕密仏教 / 国家と地域統治 |
研究開始時の研究の概要 |
日本仏教は、古代の伝来以来、護国の宗教として重要な役割を果たし、その後の日本仏教の展開を方向づけた。こうした日本仏教のあり方をモデルとして、東南アジアの上座部仏教圏との比較を中心に比較研究を実施する。日本仏教は神祇信仰と結びついた民俗的な性格が濃厚な点にも特徴を有し、対外的な国難の危機の克服のうえでも、重要な役割を果たし続けた。こうした国際状況のなかでの宗教の歴史的役割をも注目する。地域レベルの統治と宗教の関係の解明を目指し、歴史研究とフィールド調査との融合を行う。国内及び、調査対象とする東アジア・東南アジア各地域の歴史学・文化人類学等の研究者の協力をも得て行う斬新な学際的な比較研究である。
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研究実績の概要 |
本課題は、東南アジアを中心とする上座部仏教圏と大乗仏教圏である日本との比較による、国家と宗教との関係性について、文化人類学、民俗学、歴史学の専門研究者との協業により考究することを目的とする共同研究である。 東南アジア・日本の仏教について、伝承調査の実施を計画したが、コロナ禍における各国の感染症対策のための渡航制限、日本国内においては神仏に関わる儀礼の中止・延期等により、長崎県対馬の放生儀礼等を除いて調査を実施できず、共同研究会を中心とした討議を行い、研究を推進した。 一昨年度(2021)に続いて、国立歴史民俗博物館の「東アジア・東南アジアの宗教・信仰の交流、歴史と伝承」プロジェクト研究との協業による研究を推進した。研究分担者の勤務校の京都大学、日本女子大学にて計3回の共同研究会を実施したが、ゲストスピーカーとして内蒙古出身の蒙古貞夫氏(学芸大学研究員)の内蒙古東部地域における農耕・牧畜のための祈願についての発表を、10月に徳島の金毘羅山における顕密仏教の活動をテーマとする白川琢磨氏(福岡大学名誉教授)の発表を依頼し、新たな事例に基づいて、研究を深めることができた。 研究分担者も各回に発表を行ったが、東南アジア、東アジア、及びチベット仏教が支配的な北東アジアにおける仏教の受容圏において、寺院という宗教活動の実現の上で、人々が暮らす現実世界、及び食料や衣服の素材となる動植物、燃料や住居の資材となる樹木等と関わる民俗神への祭祀が仏教儀礼と不可分の関係にあったことが明らかになったことである。 日本仏教の研究において、仏・菩薩と神祇の融合といった本地垂迹思想や、僧侶による仏法の護法神となる神祇祭祀への注目は従来よりなされているが、生業・生活と関わる動・植物の神霊に対して、それぞれの地域に根を下ろした仏教がいかに接したか、さらに事例を収集して検討することが、今後の課題として浮上した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本共同研究は、東南アジア・日本国内の伝承をも重視し、両地域の民俗調査を実施することを計画しているが、コロナ禍における各国の感染症対策としての渡航制限、日本国内においては神仏に関わる儀礼の中止・延長等により、2022年度は、計画を完遂することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
共同研究会は計画通り実施しているが、2020年以来のコロナ禍により、東南アジア地域、日本国内のフィールドワークが計画通りに実施できていない。本年、2023年より、世界的にコロナの感染状況が改善し、渡航条件もコロナ禍以前に戻りつつあり、当初計画のフィールドワークを、今年度、推進したい。
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