研究課題/領域番号 |
19K00098
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01040:思想史関連
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
西 信康 三重大学, 人文学部, 特任准教授(教育担当) (30571062)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 儒家思想 / 人性論 / 墨家 / 道家 / 養生思想 / 道法思想 / 黄老思想 / 鬼神 / 信仰 / 懐疑 / 中国 / 儒家 / 孟子 / 中国哲学 / 中国思想 / 生成論 / 倫理学 / 解釈学 / 出土文字資料 / 道家思想 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、万物の生成変化に関する中国古代道家思想の生成論と、人性論を含む儒家の倫理学説とを対象とする。道家の生成論を儒家の倫理学説に対する存在論的基礎を提供するものと想定し、儒道二学派の思想的形成過程とその思想的交渉の具体的様相を解明する。併せて、儒家の倫理学説における解釈史上の諸問題を実証的に解決し、各資料の新解釈の提示のみならず、研究者の視点を更新する解釈学的批判に取り組む。対象となる一次資料は、世代を超えて今日まで伝わる伝世(でんせい)文献と、新たに発見された出土資料との二種類である。
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研究成果の概要 |
主な成果は次の二件。(1)『孟子』に見える楊墨批判を対象とし、その倫理学説としての特徴を明らかにした。具体的には、孟子は、利益の有無を行為の妥当性をはかる基準とする思考法に反対し、また、手段としての妥当性に倫理的行為の価値を認める思考法に反対していることを明らかにした。(2)『荀子』の性悪説を対象とし、その倫理学説としての特徴を明らかにした。具体的には、先ず、『荀子』における「悪」の意味内容について、『荀子』内部の用例を再検討することで明らかにした。その上で、荀子の倫理学説は、人の善悪の可能性を始原の資質に求める思考法を克服することに、その特徴があることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ここ30年来、我が国においては、『孟子』や『荀子』といった著名な思想文献についてさえ、専門的な研究成果が発表されることはほとんど希な状況にある。従って、本研究成果の学術的および社会的意義は、先ず何よりも、『孟子』と『荀子』といった、中国思想研究の中心的役割を担う重要文献を研究対象としたことにある。そして、これに関する我が国の豊富な先行研究を批判的に継承することで、新たな研究課題を発見し、研究の停滞状況を打開する契機を提供したことにある。
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