研究課題/領域番号 |
19K00099
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01040:思想史関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
鹿子生 浩輝 東北大学, 法学研究科, 教授 (10336042)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | マキアヴェッリ / フィレンツェ / マキァヴェッリ / 世俗化 / 都市共和国 / ルネサンス / 共和主義 / グィッチァルディーニ / 政治思想 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、イタリア・ルネサンス期の二大思想家であるマキァヴェッリとグィッチァルディーニの政治思想を検討する。本研究で特に着目するのは、前者が開拓した新しい政治学的視座に対するグィッチァルディーニの知的対応である。両者はいずれも、祖国フィレンツェの自由を共和政の枠組みで確保しようとしていた。しかし、そのために彼らが構想した実践的方策は異なっており、その相違は、彼らに異なる理論を構築させた。本研究は、彼らの政治理論の特徴を比較する作業である。この作業からは共和国理論とキリスト教の緊張関係が明らかとなろう。
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研究成果の概要 |
本研究は、イタリア・ルネサンス期の政治思想の構造的特徴を明確化することであった。特に注目すべきは、マキァヴェッリの政治思想とその政治的背景であり、この研究では次の二点を明確化することができた。第一に、マキアヴェッリとグィッチァルディーニの思想的比較と知的影響関係の把握である。第二に、マキアヴェッリと当時のフィレンツェのキリスト教思想との関連の明確化である。これらの作業によって、いかにマキアヴェッリが世俗性を徹底し、独自の共和国理論を構想したかを浮き彫りにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
研究成果の学術的意義は、マキアヴェッリの政治思想、とりわけその共和国理論を当時の歴史的文脈から明らかにすることによって、イタリア・ルネサンス思想を過度に単純化せず、その複雑な様相を剔抉したところにある。当時、多くの思想家は、来世での救済というキリスト教信仰を抱いていたが、同時にルネサンス期は異教の文化が復活した時代でもある。多くの思想家たちがフィレンツェ共和国という世俗的価値の繁栄を期待しつつも、同時に魂の救済を求めていた。マキアヴェッリはこれらが両立しないことを踏まえつつ、祖国の存続と繁栄のために、キリスト教の教義の中心を放棄したのである。
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