研究課題/領域番号 |
19K00101
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01040:思想史関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
竹峰 義和 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (20551609)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | フランクフルト学派 / ベンヤミン / アドルノ / クルーゲ / メディア / パフォーマティヴ / テクノロジー / 映画 / 知覚 / パフィ―マティヴィティ / クラカウアー / パフォーマティヴィティ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、フランクフルト学派に属するベンヤミン、アドルノ、クルーゲの著作および映像作品について、言語哲学およびメディア論を理論的な補助線にしつつ、読者に及ぼすパフォーマティヴな効果を多面的に検証することを目指すものである。とりわけ、これらの思想家たちのテクストを徴づけるスタイル上の特徴を、①テクスト構成によって展開される自己省察性 ②インターメディア的なモンタージュおよび引用技法 ③挑発技法としての誇張と擬態 ④省察・経験媒体としてのテクスト/技術メディア という四つの観点から分析する。
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研究成果の概要 |
3年間の研究を通じて明らかになったことを簡潔にまとめるならば、1.技術メディアを主題にしたフランクフルト学派の著作が、既存の社会体制のなかで覆い隠されたものを大衆に知覚経験させるという志向が共通して認められること、2.テクストの修辞的なレヴェルにのうちにも、読者にオルタナティヴな知覚経験をパフォーマティヴなかたちでもたらすような戦略的な工夫が施されていること、の二点である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、フランクフルト学派の思想家たちのテクストを、文体や修辞技法、読者の解釈行為など、従来見過されてきた側面に着目しつつ分析したことで、ラジオや映画、テレビといった技術メディアは、彼らにとって思弁的な省察対象だけでなく、支配体制のイデオロギーに抵抗するための批判的な視座を一般大衆のなかに涵養するための教育媒体としての意味ももっていたことを明らかにした。この点は、非実践的な知識人集団というフランクフルト学派にまつわる一般的なイメージを一新するという点で大きな学術的意義をもつ。
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