研究課題/領域番号 |
19K00111
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01040:思想史関連
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
井田 尚 青山学院大学, 文学部, 教授 (10339517)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 百科全書 / 啓蒙思想 / 科学史 / 哲学史 / 進歩主義 / アリストテレス主義 / デカルト主義 / ニュートン主義 / 啓蒙主義 / 『百科全書』 / 哲学 / 科学 / 啓蒙 / DEMONSTRATION / 証明 / 論証 / 演示 / ニュートン / デカルト / 科学啓蒙 / 科学アカデミー / ダランベール / ペストレ神父 / イヴォン神父 / 感覚論 / 検閲 / ディドロ / アリストテレス / ベール / ブルッカー / 二重言説 / 進歩 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、ディドロ、ダランベールら哲学者・科学者が執筆した『百科全書』の科学・哲学項目において、十七世紀末から十八世紀前半にかけて公認学説の地位を争ったアリストテレス主義、デカルト主義、ニュートン主義など歴代の有力な学派が、純粋な学説論争から学者集団としての党派対立まで様々なレベルで展開した競合関係の歴史が、百科全書派のイデオロギーによっていかに啓蒙主義的な「進歩と反動の物語」に取り込まれ、理性を旗印とした「科学と哲学の進歩の歴史」として書き換えられたかを、『パリ王立科学アカデミー年誌・論集』をはじめとする学術雑誌など同時代資料の分析を交えて実証的に解明しようとするものである。
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研究成果の概要 |
本研究では、『百科全書』の科学・哲学項目において、十七世紀末から十八世紀前半にかけて公認学説の地位を争ったアリストテレス主義、デカルト主義、ニュートン主義など歴代の有力な学派の競合関係の歴史が、百科全書派のイデオロギーによっていかに「科学と哲学の進歩の歴史」として書き換えられたかを、検閲対策の合法的言説としてのアリストテレス主義、啓蒙主義の引き立て役としての「新哲学」デカルト主義、『百科全書』におけるディドロの無署名項目の認定基準の余白、『百科全書』に頻出する証明・演示の概念と『百科全書』の啓蒙的な科学観といった主題を通じ、実証的に明らかにすることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
『百科全書』がアリストテレス主義、デカルト主義、ニュートン主義といった既存の哲学体系を啓蒙主義的・世俗主義的な科学観によって、いかに世俗化が進行する近代における学問と科学の進歩の歴史に取り込み、百科全書派の進歩主義的な学芸観の正当性を同時代および後世の読者・公論にアピールしようとしたかを実証的に論じた本研究は、一見客観的に見える科学史・哲学史のイデオロギー的性格を浮き彫りにするとともに、我々現代人がいかに啓蒙主義をルーツとする近代の進歩主義的な科学観・哲学観の影響を受けているかを改めて教えてくれる点で、学術的・社会的意義が大きい。
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