研究課題/領域番号 |
19K00116
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01040:思想史関連
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
安孫子 信 法政大学, 国際日本学研究所, 研究員 (70212537)
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研究分担者 |
杉本 隆司 明治大学, 政治経済学部, 専任講師 (80509042)
村松 正隆 北海道大学, 文学研究院, 教授 (70348168)
松井 久 明治大学, 研究知財戦略機構, 研究推進員(客員研究員) (60834843)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 実証哲学 / 実証主義 / 科学哲学 / 科学史 / オーギュスト・コント / 『実証哲学講義』 / 三状態の法則 / 分類の法則 / 実証哲学・実証主義 / 生物学の哲学 / 社会学 / 実証哲学講義 / 科学哲学史 / ニュートン主義 / 科学の進歩 / 科学の分類 |
研究開始時の研究の概要 |
この研究は伝統的な哲学が退場し、それに代わるものして、社会学や人類学、言語学、宗教学などの人間諸科学が成立してきた19世紀後半からの学問の大転換の、まさに立役者でありながら、その仕事のあまりの巨大さゆえに、今日に至るまで、世界で、そして日本で、正当な評価と理解を受けずに来ているオーギュスト・コント(1798-1857)の仕事を、これまたあまりに浩瀚であるがゆえに敬遠され続けてきた彼の主著『実証哲学講義』に定位し、哲学的に、科学史的に、徹底的に検討することで再評価することを目指します。科学の進歩が、良きにつけ悪しきにつけ、人間に及ぼし、もたらしているものが一体何なのかが明らかにされていきます。
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研究成果の概要 |
コントの実証哲学が「理性」や「真理」を哲学の表舞台から退場させ、形而上学的哲学を駆逐して、現代哲学をもたらしたとして、その作業を完遂したのが『実証哲学講義』でした。しかし同書はきわめて浩瀚である上に、一見して諸科学に及ぶ科学史を扱っているだけで、そこに哲学を把握していくことは容易ではありません。本研究では、コントを知る内外の哲学、社会学、科学史の専門家を糾合して、グループで、多角的に、徹底して同書を読むことを遂行して、コントが、科学と科学史が持つ、ある意味で科学と科学史を超える哲学的な力を社会学の名の下で取り出しきて、その力の上に新しい哲学を打ち立てたことを明らかにしました。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
科学の進歩が、人間に恩恵と同時に深刻な問題をもたらしていることは否定できません。その問題を前に、科学を万能として科学主義を掲げることはできません。しかし、他方で科学の達成を否定して、反科学を主張することも出来ないでしょう。われわれは今日、科学にどう向き合い、科学をどう扱っていくべきか。すでに科学の時代であった19世紀、当時の科学の進歩の全体を引き受け、この問題に取り組んだのがコントです。コントは社会学と実証哲学の創出という形で、その問題に一定の回答を与えました。それは、数学・物理学的科学に、生物学と社会学とを重ね合わせることで、科学に科学を乗り越える力を見出していこうとするものでした。
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