研究課題/領域番号 |
19K00118
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01040:思想史関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
清水 則夫 明治大学, 理工学部, 専任准教授 (30580849)
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研究分担者 |
グラムリヒ・オカ ベティーナ 上智大学, 国際教養学部, 教授 (60573417)
高橋 恭寛 多摩大学, 経営情報学部, 准教授 (70708031)
本村 昌文 岡山大学, ヘルスシステム統合科学研究科, 教授 (80322973)
浅井 雅 神戸大学, 国際文化学研究科, 協力研究員 (80782010)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 頼春水 / 朱子学 / データベース / 広島藩 / 藩校 / 服部栗斎 / 飯岡義斎 / 死生観 / ネットワーク / 懐徳堂 / 中井竹山 / 春水日記 / 喪祭礼 / 五井蘭洲 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は18世紀後半の儒者および儒学思想の、社会的存在様態と思想史的意義とを、①儒者の個人レベルにおける儒学受容、②儒者の社会実践と交流、③学者間ネットワークのDB化、以上の3つの点から多角的に検証する。そのための素材として、頼春水(1746~1816)とその周辺に着目する。この作業により、社会的存在としての「儒者」の自己規定、武家社会におけるその位置づけ、儒者をも含む学者間交流・ネットワークとその背景、そしてその全ての場面における儒学思想の意味を明らかにする。またこの結果を踏まえ、当該期の儒者および儒学思想がどのような特質を有していたのかを明確化したうえで、その思想史的意義を検証する。
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研究成果の概要 |
18世紀後半の儒者について、頼春水(1746~1816)を例に多角的に検証した。その結果、下記のような結果を得られた。 当該期の儒者とは、儒教理念の実践を指向することは勿論だが、他面で家族構成や武士の習俗等の現実に規定された。逆に、現実がむしろ理念の実践を助けることもあった。また彼らの人間関係は、思想的交流以外にも、地縁や血縁、社会的地位にもとづく繋がりも強く、そのため学派間の対立は、表面化することもあるものの、従前より目立たなくなっている。こうした人的繋がりを把握するうえで有益なデータベース(JBDB https://app.jbdb.jp/#/)を構築しつつ活用した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果の学術的意義は、従来政治的に把握されがちであった18世紀後半の儒者を、彼らの具体的な生に即した形で再検討した点にある。寛政異学の禁は、確かに政治的に大きな事件であったが、その根底にあったのは本研究が明らかにしたように、具体的な個人としての儒者であったことを見逃しては、政治的分析も不十分なものに終わってしまうだろう。社会的意義としては、日本における外来思想受容の一例として、儒教思想受容の具体相を描いた点が挙げられる。中国との関係は現代の大問題だが、日本が中国文化を深く受け入れてきた歴史は否定できない。この点に改めて注意を促すことには、一定の意味が認められよう。
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