研究課題/領域番号 |
19K00120
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01040:思想史関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
西山 達也 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (40599916)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | マルティン・ハイデガー / ジャック・デリダ / ジャン=リュック・ナンシー / ジルベール・シモンドン / ミーメーシス / カール・レーヴィット / エマニュエル・レヴィナス / 翻訳の思想 / レヴィナス / レーヴィット / メタファー / 広義の翻訳 / 主体の変容 / プラトン / デリダ / ハイデガー / ナンシー / シモンドン / バンヴェニスト / ルロワ=グーラン / 洞窟の比喩 / 転導性 / 翻訳 / 歴史性 / 現象学 / フランス現代哲学 / ドイツ現代哲学 / 概念 / 主体 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は20世紀のドイツとフランスを中心に出現した翻訳の思想がどのように展開したかを明らかにすることを目指す。ここでの翻訳の思想とは、翻訳という営為を通じて概念や学知が移転・刷新するという事態と、それに並行して生じる主体の存在論的な変容をめぐる思想である。したがって、本研究を導く問いは次のように整理される。(A)一方で、普遍的な概念や学知が、いかにして翻訳を媒介として生成・再編するのか。また、翻訳の思想が概念や学知の生成・再編をどのように自己反省するのか。(B)他方で、思想翻訳の主体とは誰(何)であり、この主体は翻訳という実践を通じていかにして自らを形成し、自らの同一性を問いに付すのか。
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研究成果の概要 |
本研究は、20世紀のドイツ・フランスを中心に広まりをみせた翻訳をめぐる諸思想(思弁的翻訳論)が、(1) 人文・社会・自然科学の様々な領域を横断する形でいかなる概念形成と学知の編成に寄与したのか、また、(2) この諸思想が主体と思考の変容をどのように可能にしたのかを解明することを試みた。このように獲得された成果を通じ、現代世界において「翻訳の思想」が担いうる役割、たとえば私たちの日常の生および日常言語を疎外する危険性をつねに孕んでいるグローバルな言語や科学の言語の一元化に対し、「翻訳の思想」が提供しうる抵抗のありかたについて、問題提起をおこなうことができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
20 世紀のフランス・ドイツにおける翻訳をめぐる様々な思想を、とりわけそれが可能にした学知と概念の変革可能性および主体の変容可能性に着目しながら調査した。翻訳とは単に複数言語間の記号表現を相互に置き換える行為ではない。それは新たな認識を創出し、実存を変革する営為でありつづけてきたのだが、こうした翻訳の営為をめぐる思弁的考察は従来の哲学・思想史研究においては主要な課題とみなされてこなかった。本研究は、あらたな思弁的翻訳論の可能性を提示することで、人類社会の一体化が深化するなかで、人間と言語の関係をめぐって生じる現代的かつグローバルな諸課題に対して実践的に応答を試みるものである。
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