研究課題/領域番号 |
19K00146
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01050:美学および芸術論関連
|
研究機関 | 独立行政法人国立美術館東京国立近代美術館 |
研究代表者 |
冨田 美香 独立行政法人国立美術館東京国立近代美術館, 企画課, 主任研究員 (30330004)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
|
キーワード | 映画学 / フィルムアーカイブ / 映画史 / 日本映画 / 大型映画 / 70ミリ映画 / 釈迦 / 宗教と映画 |
研究開始時の研究の概要 |
日本における70ミリ劇映画の永続的な保存と再現を可能とすべく、3年間の研究期間で、以下3点を行う。 (1)東京、大阪、名古屋、京都の地方紙等の調査により、1950年代から1970年代の国内主要各地における70ミリ劇映画と映画文化の受容様態を明らかにする。 (2)70ミリ映画の上映を頻繁に行っている欧米の機関への視察調査により、欧米での70ミリ映画の上映に関する機器及び技術の維持方法を明らかにする。 (3)権利会社、国内外の現像所、サウンド復元ラボとの技術打合せ等を重ね、三隅研次監督『釈迦』(大映、1961)、黒澤明監督『デルス・ウザーラ』(ソ連、黒澤プロ、1975)の最適な復元方法を明らかにする。
|
研究成果の概要 |
本研究の目的は、70ミリ劇映画の保存と再現にむけ、日本映画史上重要な70ミリ作品の媒体固有の表現の復元に必要な調査として、(1)国内の70ミリ劇映画の受容、(2)70ミリ上映に関する機器及び技術の維持方法、(3)三隅研次監督『釈迦』(大映、1961)の最適な復元方法、を明らかにすることにおいた。 研究期間はコロナ禍の延期で5年間となり、初年度に(1)70ミリ映画館の分布状況と、(2)必要な機器及び技術の維持方法を、2年目以降は(3)『釈迦』の国内外の資料とフィルムの所在調査および検査を行い、最終年度に報告会を実施し、調査・復元方法を報告したことで、研究目的を概ね達成することができたといえる。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果の本来の意義は、日本映画史上初の70ミリ映画『釈迦』の復元を実際に行うことができた時に初めて認められるものと考えるが、復元費用や権利問題等で現状ではまだ実施できる状況には至っていない。しかしながら、学術的意義としては、第一に、復元にむけた必要な資料及び現存フィルムの所在調査・検査をほぼ終え、復元する際の指針をまとめたこと、第二に、従来あまり知られていなかった『釈迦』の製作プロセスの詳細や、撮影・録音・美術にいたる技術的な挑戦と表現、海外での評価、を明らかにしたこと、第三に、報告会をとおしてフィルムアーカイブ、映画復元、70ミリ映画に関する社会的関心を高めたことにある。
|