研究課題/領域番号 |
19K00153
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01050:美学および芸術論関連
|
研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
井戸 美里 京都工芸繊維大学, 未来デザイン・工学機構, 准教授 (90704510)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | 屏風 / 和歌 / 障屏画 / 室礼 / 名所 / 花鳥画 / やまと絵 / 会所 / 庭 / 名所絵 / 看聞日記 / 名所歌集 / 洛中洛外図 / 屏風歌 |
研究開始時の研究の概要 |
かつて寝殿造の空間を飾っていた屏風や障子・襖に描かれた絵の多くは和歌に詠まれることを前提としていた。絵と言葉が未分化で混然一体となって紡ぎ出す風景は、平安時代に流行した屏風や障子に描かれた絵を見て和歌を詠んだ「屏風歌」のなかに残存している。この「屏風歌」の伝統は十世紀には下火になったとされるが、果たしてそうであろうか。本研究は、そのような絵と言葉の伝統を濃厚に受け継ぐ室町時代の障屏画について、それらが本来置かれていた建築空間やそこで行われる儀礼や行事の場において果たした役割を再考することを目指している。
|
研究成果の概要 |
かつて平安時代の寝殿造の空間を飾っていた屏風や障子・襖に描かれた絵は、多くの場合、和歌と密接な関わりをもっていた。本研究では、絵と言葉の双方により風景を描き出してきた「屏風歌」の伝統が室町時代の障屏画においても濃厚に受け継がれていた可能性について検証した。特に和歌や漢詩を詠み込んだことが推測される室町時代の花鳥画や山水画について現存作例と日記の記述など記録類の分析を行い、それらの絵画が描かれた屏風や障子・襖が置かれた室礼の場について明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究が目指したのは、屏風絵や障子絵の主題やモティーフを和歌や漢詩との関わりから分析することによって、儀礼や行事が行われた建築空間において絵画に内包される言葉がいかに空間を規定していたのか、ということを考察することであった。屏風や障子・襖は言うまでもなくかつては建築とともに存在した。現在では本来置かれた場からは切り離されて「作品」として所蔵されていることの多いこれらの屏風絵や障子絵について、同時代の文献資料の記述を参照しながら、可能な限り建築空間の室礼について解明した点に本研究の意義がある。
|