研究課題/領域番号 |
19K00155
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01050:美学および芸術論関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
平芳 裕子 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (50362752)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ファッション / ファッションデザイン / アート / 現代思想 / 民族衣装 / ミュージアム / ファッション論 / 洋服 / 和服 / 日本 / 民俗衣服 / ファッションとアート / 身体表象 / ファッションデザイナー / ファッション誌 / 美術雑誌 / 批評 / 芸術思想 / メディア / 美術館 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、20世紀後半の芸術における身体表象の変容が、日本における「思想としてのファッション」の生成に与えた影響を明らかにすることによって、現代アートにおけるファッションの価値化、ミュージアムにおけるファッション展の発展、アカデミズムとしてのファッション研究成立の歴史的文脈を検証するものである。
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研究成果の概要 |
芸術の伝統的なヒエラルキーではファッションは下位に位置付けられてきた。しかし20世紀後半の芸術文化において、ファッションは芸術作品としての評価や文化的意義を獲得していく。本研究では、日本におけるその思想的な背景を明らかにすることを試みた。高度経済成長期におけるファッションデザインの発展、バブル経済期におけるファッションデザイナーの地位の向上、ミュージアムにおける衣服の収集とファッション展の開催を、地理学者・田中薫の衣服収集と民俗衣服博物館構想、哲学者・鷲田清一の現象学的身体論と作品批評から読み解き、現代に向けてファッションが価値づけられていく過程を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
芸術の伝統においてファッションは下位に位置付けられてきたが、20世紀後半からのファッション産業の発展とともにその状況は変化してきた。ファッションが単なる産業ではなく、芸術との関わりを密接に保ちながら、芸術作品としての価値を獲得し、現代の芸術文化や産業社会に多大な影響力をもつに至った過程を、芸術史や思想史の同時代的文脈を踏まえて考察した。ファッションは従来軽薄なものとして学術分野では軽視される傾向にあったが、そのこと自体を問題として提起し、人文学的な研究主題かつ現代社会へ切り込む対象を考察するための枠組みを提示したことに、本研究の学術的かつ社会的な意義が見出されるといえる。
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