研究課題/領域番号 |
19K00158
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01050:美学および芸術論関連
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研究機関 | 静岡文化芸術大学 |
研究代表者 |
奥中 康人 静岡文化芸術大学, 文化政策学部, 教授 (10448722)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 西洋音楽受容 / ラッパ / 金管楽器 / 楽器製造 / 楽器 / 西南戦争 / 洋楽受容 / 軍楽 |
研究開始時の研究の概要 |
幕末維新期に流入したラッパ(Bugle)は、日本において早くから普及した西洋楽器でありながら、初期受容の実態はほとんど解明されていない。大きな原因は資料不足によるものだが、近年になって整備されたデジタルアーカイブ等を活用することにより、明治前期、とりわけ西南戦争時の記録(多くは断片的なものであるが)をもちいて、ラッパを巡る様々な側面を明らかにすることができるようになった。 本研究では、断片的な記録をコンテクストにしたがって整合的に配置し、また、同時代の仏・英のラッパ譜との照合によって、これまで全く不明であったレパートリー、その機能や役割、楽器の製造や流通などを明らかにすることを目的としている。
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研究成果の概要 |
(1)明治初期に陸軍で用いられていた複数のラッパ譜に基づき、同時代のフランスにおけるラッパ譜と照合しつつ、どのような楽曲が用いられていたのかを検証した。その際、フランスのラッパ譜には存在しない楽曲(合図、行進曲)は、日本で作成された可能性のあるものと推定することができた。(2)アジア歴史資料センターDB等により、明治の早い段階から陸軍工廠において国産ラッパが製造されていたこと、および明治10年代より民間でもラッパ(金管楽器)が製造されていたことを明らかにした。(3)同DBの西南戦争資料から、「喇叭暗号」という使用法を手掛かりに、西南戦争における具体的な運用の実態を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで、日本における西洋音楽受容の歴史は、芸術音楽や学校音楽に偏ってきたが、これまでほとんど放置されてきた軍隊におけるラッパ(Bugle)という側面から、より早い時点での洋楽受容の実態を明らかにした。また、音楽研究では作曲家と音楽作品についての調査研究が重視されてきたが、本研究では金管楽器製造という観点からの調査研究も含むもので、日本における楽器製造の歴史としても意義を持つものである(もちろん、日本における西洋楽器製造の歴史的研究として、オルガン、ピアノ、バイオリンについては充実しているが、金管楽器については見過ごされてきた)
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