研究課題/領域番号 |
19K00167
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01050:美学および芸術論関連
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研究機関 | 独立行政法人国立美術館東京国立近代美術館 |
研究代表者 |
谷口 英理 独立行政法人国立美術館東京国立近代美術館, 企画課, 研究員 (40422513)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 前衛美術 / 1930年代 / 1940年代 / メディア / 写真 / 映画 / アーカイブズ / 前衛 / 日本美術 / 日本文化 |
研究開始時の研究の概要 |
関東大震災から1930年前後の日本では、大戦間の欧米先進国と同様のメディア状況の大変動があり、現在のマスメディア社会の原型とも言うべき社会が成立した。本研究においては、このようなメディア状況の変容に対し前衛美術がいかに反応したのかという観点から、昭和戦前期(1920年代末~40年代半ば)を中心とした日本の前衛美術を再考する。とりわけ当時の新興メディアである写真や映画の「影響」という切断面からさまざまな表現・言説を調査し、そこに共有される問題意識や志向を浮かび上がらせることを目指す。また、未整理の基礎資料については、保存処置、資料群の編成、データ化等を実施し、アーカイブズの構築も進める。
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研究実績の概要 |
新型コロナウイルス感染症の影響により調査が困難な状況が続いていたため、当初予定よりも対象範囲を絞って調査・研究を進めた。 「テーマ①『思想』再刊号の領域横断的言説圏の実態解明」:2020年度に引き続き、長谷川三郎が満蒙旅行(1938年)で撮影した写真に関する研究の一環として、1930年代後半の満蒙旅行に関する書籍、雑誌記事等の調査を進めた。 「テーマ②前衛美術家による写真表現の実態解明」:2021年度に引き続き、2020年度にデジタル化を実施した長谷川三郎、福沢一郎の写真資料のデータベース構築を行った。基本的なメタデータの採録に加え、特に長谷川三郎の満蒙旅行の写真に関しては、調査に基づき撮影地や被写体の特定を進めた。 「テーマ③造形作品における写真・映像の「影響」の実態解明」:長谷川三郎、瑛九等の写真作品の調査を進めると共に、福沢一郎記念館における前衛美術家の写真資料の保存に関するワークショップに講師として参加。関係機関の学芸員、研究者に1930年代、40年代の写真資料の保存方法と研究資源化に関する情報共有を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症の影響により、特に2021年度まで、遠方への出張や美術館・図書館等での調査が困難が続いたため、当初の想定よりも研究の進捗が遅れた。2022年度は状況が改善したが、調査等の遅れを完全に取り戻すには至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間を再度1年延長することにより、長谷川三郎の写真資料を所蔵する甲南学園との連携のもと、引き続き画像データベース作成を中心に研究を進める予定。また、これまでの調査に基づいた研究論文をまとめる予定である。
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